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特定技能外国人を雇用するために必要な事とは?Vol.3:1号特定技能外国人支援計画
前回は「特定技能雇用契約」について紹介しました。
特定技能外国人を雇い入れる為には「特定技能所属機関」になる必要があり、特定技能外国人との間で「特定技能雇用契約」を結ぶ必要がありました。
さて今回は「特定技能外国人を雇用するために必要な事」の3番目となる
「1号特定技能外国人支援計画」について紹介します。
1号特定技能外国人支援計画とは
特定技能所属機関は、受け入れる1号特定技能外国人に対して職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を行う必要があります。そのため、特定技能所属機関は、適切な内容の「支援計画」の作成が求められます。
支援計画は、日本語及び1号特定技能外国人が十分理解できる言語(特定技能外国人の母国語又は内容を余すことなく理解出来る言語)で作成する必要があります。
もちろん、1号特定技能外国人に対する支援を行う際も同様です。
1号特定技能外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していることも特定技能所属機関としての基準の一つです。
1号特定技能外国人支援計画の一部又は全部は「登録支援機関」に委託することも可能です。
※登録支援機関については、次回ブログで紹介しております!
◆登録支援機関 特定技能所属機関との委託契約により、1号特定技能外国人支援の計画・実施を行う機関。 |
1号特定技能外国人支援計画の内容
1号特定技能外国人支援計画は、以下が基準とされています。
①事前ガイダンスの提供 |
②出入国する際の送迎 |
③適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援 |
④生活オリエンテーションの実施 |
⑤日本語学習の機会の提供 |
⑥相談又は苦情への対応 |
⑦日本人との交流促進に係る支援 |
⑧外国人の責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合の転職支援 |
⑨定期的な面談の実施、行政機関への通報 |
⑩過去2年間に中長期在留者等(就労系資格に限る)の受入れ経験等がある事 |
では、一つずつ確認して行きましょう!
①事前ガイダンスの提供
事前ガイダンスは、対面やテレビ電話などで行います。文書や電子メールのみはNGです。
「事前」ガイダンスなので、雇用契約締結後、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請「前」におこなわれます。
以下の10項目が情報提供の内容です。
a.従事する業務の内容,報酬の額 その他の労働条件に関する事項
b.本邦において行うことができる活動の内容
c.入国に当たっての手続に関する
d.保証金の徴収,契約の不履行についての違約金契約等の締結の禁止
e.入国の準備に関し外国の機関に支払った費用について,当該費用の額及び内訳を十分に理解して支払わなければならないこと
f.支援に要する費用を負担させないこととしていること
g.入国する際の送迎に関する支援の内容
h.住居の確保に関する支援の内容
i.相談・苦情の対応に関する内容
j.特定技能所属機関等の支援担当者氏名及び連絡先
引用:「特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出」法務省
②出入国する際の送迎
1号特定技能外国人が出入国する場合、空港等から自宅や会社への送迎が必要になります。交通費も特定技能所属機関が負担します。
出国する際は、空港等までの送迎だけではなく保安検査場入場までの出国手続の補助も必要です。
③適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援
1号特定技能外国人が日本で安心して働く為に、住居の確保が必要です。
広さは,1人 当たり 7.5 m²(約4畳)以上を満たすことが求められます 。
「適切な住所の確保に係る支援」
・不動産仲介事業者や賃貸物件の情報を提供し,必要に応じて住宅確保に係る手続に同行し,住居探しの補助を行う。また,賃貸借契約の締結時に連帯保証人が必要な場合に,適当な連帯保証人がいないときは,支援対象者の連帯保証人となる又は利用可能な家賃債務保証業者を確保し自らが緊急連絡先となる
・自ら賃借人となって賃貸借契約を締結した上で,1号特定技能外国人の合意の下,住居として提供する
・所有する社宅等を,1号特定技能外国人の合意の下,当該外国人に対して住居として提供する
・情報提供する又は住居として提供する住居の概要(確保予定の場合を含む)
「生活に必要な契約に係る支援」
・銀行その他の金融機関における預金口座又は貯金口座の開設の手続の補助
・携帯電話の利用に関する契約の手続の補助
・電気・水道・ガス等のライフラインに関する手続の補助
参考:「特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出」法務省
生活にかかせない銀行口座の開設やライフライン開設などのサポートも含まれています。
④生活オリエンテーションの実施
1号特定技能外国人が日本で円滑に過ごせる様に、日本のマナーやルール等を説明します。
・本邦での生活一般に関する事項
・法令の規定により外国人が履行しなければならない国又は地方公共団体の機関に対する届出その他の手続に関する事項及び必要に応じて同行し手続を補助すること
・相談・苦情の連絡先,申出をすべき国又は地方公共団体の機関の連絡先
・十分に理解することができる言語により医療を受けることができる医療機関に関する事項
・防災・防犯に関する事項,急病その他の緊急時における対応に必要な事項
・出入国又は労働に関する法令規定の違反を知ったときの対応方法その他当該外国人の法的保護に必要な事項
参考:「特定技能所属機関による支援計画変更に係る届出」法務省
例として「本邦での生活一般に関する事項」の中身を見てみましょう。
①金融機関の利用方法…入出金や振込みの方法・ATMの使い方など
②医療機関の利用方法等…保険証を持参することなど
③交通ルール等 …歩行者は右側通行、車両は左側通行など
④交通機関の利用方法等…生活圏内の公共交通機関・住居から勤務先までの経路など
⑤生活ルール・マナー…ゴミの捨て方・空き地に無断で入ってはいけないなど
⑥生活必需品等の購入方法等…生活県内のスーパーマーケットなどの所在地
⑦気象情報や災害時に行政等から提供される災害情報の入手方法等など
⑧我が国で違法となる行為の例(大麻,覚醒剤等違法薬物の所持等は犯罪であることなど)
参考:「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」法務省
知らないと日本での生活に困る事ばかりですね!
必要に応じて、引っ越しや健康保険、年金、税などに関する公的手続きへも同行し、書類作成のサポートも必要となります。
⑤日本語学習の機会の提供
1号特定技能外国人は「ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力」という水準をクリアして居ます。しかし、さらなる日本語のスキルアップをすることによって、日本で仕事を・生活する上で円滑なコミュニケーションが取れる様になり、特定技能外国人にとっても企業にとってもプラスになる可能性もあります。
「日本語学習の機会の提供」は、日本語教室等の入学案内、日本語学習教材の情報提供、自主学習の為のオンラインの日本語講座の利用契約手続の補助なども含まれます。
⑥相談又は苦情への対応
職場や生活上の相談・苦情等について、1号特定技能外国人が十分に理解することができる言語での対応や内容に応じた必要な助言、指導などが必要です。
必要に応じて、相談内容に対応する関係行政機関を案内、同行するなど必要な手続の補助を行う場合もあります。
⑦日本人との交流促進に係る支援
自治会等の地域住民との交流の場や、地域のお祭りなどの行事の案内、参加の補助などが必要となります。
・必要に応じ,地方公共団体やボランティア団体等が主催する地域住民との交流の場に関する情報の提供や地域の自治会等の案内を行い,各行事等への参加の手続の補助を行うほか,必要に応じて同行して各行事の注意事項や実施方法を説明するなどの補助を行う
・日本の文化を理解するために必要な情報として,就労又は生活する地域の行事に関する案内を行うほか,必要に応じて同行し現地で説明するなどの補助を行う
参考:「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」法務省
1号特定技能外国人が地域社会で孤立することなく、日本人と相互に理解し信頼を深められるよう、特定技能所属機関等が率先して1号特定技能外国人と日本人との交流の場を設けていくよう努める事が大切です。
⑧外国人の責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合の転職支援
特定技能所属機関が人員整理や倒産等による受入側の都合により、1号特定技能外国人との特定技能雇用契約を解除する場合、転職先を探す手伝いや、推薦状の作成等に加え、求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供が必要となります
⑨定期的な面談の実施、行政機関への通報
特定技能所属機関等は、1号特定技能外国人の労働状況や生活状況を確認するため、1号特定技能外国人及びその監督をする立場にある者(直接の上司や雇用先の代表者等)それぞれと定期的(3か月に1回以上)に面談する必要があります。
なお、「面談」なので直接対面して話をする必要があり、テレビ電話などで行う事は出来ません。
⑩過去2年間に中長期在留者等(就労系資格に限る)の受入れ経験等がある事
特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対する適切な受け入れと支援を行う必要があります。
以下のいずれかに該当すること
ア 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の受入れ又は管理を適正に行った実績があり,かつ,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ。)を選任していること (支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)
イ 役職員で過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の生活相談等に従事した経験を有するものの中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること
ウ ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者で,役職員の中から,支援責任者及 び支援担当者を選任していること
引用:「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁
支援責任者や支援責任者が欠格事由に該当しないことも基準の一つです。
まとめ
今回は「1号特定技能外国人支援計画」について紹介しました。
健康保険、年金、税などの手続きは慣れていないと日本人でも難しいですよね…。
手続き先までの同行、書類作成のサポートがあると安心です!
POINT!特定技能外国人を雇用するために必要な事とは ①特定技能所属機関の基準を満たす事 ②特定技能外国人と結ぶ特定技能雇用契約の基準を満たす事 ③特定技能外国人への支援体制と支援計画が適切である事 |
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考:
・「特定技能基準省令の概要」法務省(http://www.moj.go.jp/content/001288453.pdf)
・「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」法務省(http://www.moj.go.jp/isa/content/930004553.pdf)
・「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁(http://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf)
参考文献:井出誠、長岡俊行(2020)『「特定技能」外国人雇用準備講座』株式会社ビジネス教育出版社
【出入国在留管理庁】「令和3年3月末の特定技能制度運用状況」について
出入国在留管理庁より、令和3年3月末の特定技能制度運用状況、特定技能在留外国人数が公表されました。
特定技能在留外国人数(速報値)は定期的(3ヶ月毎)に公表されています。
※令和3年3月末現在,特定技能2号外国人の在留はありませんので、公表値は全て特定技能1号在留外国人数です。
特定技能在留外国人数の推移
平成31年4月〜令和3年3月末現在の、特定技能在留外国人数の推移(速報値)です。
総数は22,567名。
内訳は、
①在留資格変更許可を受け「特定技能」で在留…17,299名
②上陸時に「特定技能」の許可を受けて在留…5,268名
となっております。
国籍・地域別特定技能在留外国人数の推移
令和3年3月末現在〈速報値〉では、ベトナムが最多で14,147名、全体の60%以上を占めています。
中国…2,050名・9.1%、インドネシア…1,921名・8.5%、フィリピン…1,731名・7.7%、ミャンマー…959名・4.2%と続きます。
令和2年3月末の時点で、既にベトナムは過半数を超えておりましたが、1年で更に4.6%・11,831名増加しております。
都道府県別特定技能在留外国人数の推移
令和3年3月末現在〈速報値〉では、愛知県が最多で2,027名・9.0%、千葉県が1,661名・7.4%、東京都が1,417名・6.3%、埼玉県が1,241名・5.5%、茨城県5.4%、大阪府5.3%と続きます。
令和2年9月の時点では、千葉県が最多でしたが、増加率を見ると半年間で愛知県が1,309名増加し、最多となりました。
分野別特定技能在留外国人数の推移
令和3年3月末現在〈速報値〉では、飲食料品製造業が最多で8,104名・35.9%を占めております。
次に農業:3,359名・14.9%、建設:2,116名・9.4%、産業機械製造業:1,937名・8.6%と続きます。
令和2年9月末の段階では6番目だった建設業が3番目に、逆に3番目だった外食業が7番目に変化しております。
令和2年3月末と比べて、飲食料品製造業の比率はほぼ横ばいですが、増加数で見てみると、令和2年3月末から令和2年9月末で1,765名、令和2年9月末から令和3年3月末では4,937名と大きく増加しております。
業務区分別の人数はこちら↓
技能試験等の実施状況について(令和3年3月末現在〈速報値〉)
技能試験
国内・海外(8ヶ国)の合計受験者数63,284人。
内、合格者数40,268人となります。
日本語試験(日本語基礎テスト)
国内・海外(7ヶ国)の合計受験者数25,553人。
内、合格者数は10,412人となります。
分野別に見ていくと、技能試験最多受験者数は介護分野の20,533人、合格者数は13,521人。
次が農業分野で、受験者数5,788人、合格者数5,061人となります。
※介護分野における介護日本語試験は、受験者数及び合格者数に計上されておりません。
登録支援機関数(令和3年3月末現在〈速報値〉)
登録支援機関数の総数は5,790件。
内訳は、株式会社・合同会社等の会社が3,153件・54.1%で過半数を占めております。
中小企業事業協同組合が1,532件・26.3%で2番目、行政書士(個人) が412件・7.1%、一般社団法人2.9%と続きます。
まとめ
コロナ禍でも、特定技能外国人は毎月約2,000人ずつ増加しております。
深刻な人手不足である特定産業分野にて、即戦力として活躍される事を期待しております!
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
「令和3年3月末の特定技能制度運用状況」について」出入国在留管理庁
【経済産業省】製造業における特定技能外国人材受入れに関するオンラインセミナー開催
経済産業省からの情報をご紹介します。
製造業における特定技能受入に関するオンラインセミナーが開催されます。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社に委託されたセミナーとなります。
以下、経済産業省HPより↓
製造業における特定技能外国人材受入れセミナー
経済産業省は、特定技能外国人の受入れを検討している製造3分野の事業者を対象に、必要なノウハウ等を学ぶためのオンラインセミナーを開催します。
セミナー概要
2019年4月1日、改正出入国管理及び難民認定法が施行され、新たな在留資格として「特定技能」が創設されました。
製造業においては、①素形材産業、②産業機械製造業、③電気・電子情報関連産業の3分野が、在留資格「特定技能1号」の受入れ対象分野となっております。
本セミナーでは、制度概要や評価試験に関するご説明のほか、製造3分野の受入れに関し数多くいだたく質問への解説や、実際に特定技能外国人を受け入れている企業の事例をご紹介いたします。
特定技能外国人の受入れを検討されている中小企業・団体様など、積極的なご参加をお待ちしております。
対象者
新たな在留資格「特定技能」での外国人の受入れに関心をお持ちの中小企業・団体様等
参加費
無料
開催日時
第1回 | 6月16日(水曜日) | 13時~14時55分 |
第2回 | 6月21日(月曜日) | 13時~14時55分 |
第3回 | 6月29日(火曜日) | 13時~14時55分 |
第4回 | 7月2日(金曜日) | 13時~14時55分 |
第5回 | 7月9日(金曜日) | 13時~14時55分 |
※各回 定員80名 ※定員になり次第、 締め切らせていただきます。
プログラム(予定・各回共通)
時間 | 次第 | 登壇者 |
---|---|---|
13:00 | 挨拶 | 経済産業省 |
13:05~13:35 (30分) | 製造業における特定技能外国人材に係る制度 概要・評価試験等について | 経済産業省 |
13:35~13:55 (20分) | 製造業における特定技能外国人 受入れ事例について | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング |
休憩(5分) | ||
14:00~14:30 (30分) | 特定技能外国人受入れ企業による事例紹介 | 製造3分野で、特定技能外国人を 受け入れている企業(※下表参照) (各日1社登壇) |
14:30~14:55 (25分) | 質疑応答(事前に寄せられた質問、 当日ご参加者の質問等への回答) | ・経済産業省 ・特定技能外国人を受け入れている企業 他 |
登壇企業(分野)
第1回 | 6月16日(水) | 三正工業株式会社(産業機械製造業) |
第2回 | 6月21日(月) | 美濃工業株式会社(素形材産業) |
第3回 | 6月29日(火) | 株式会社 府中テンパール(電気・電子情報関連 産業) |
第4回 | 7月2日(金) | 大澤工業株式会社(産業機械製造業) |
第5回 | 7月9日(金) | 株式会社 真岡製作所(素形材産業) |
オンラインセミナーの受講について
パソコン、タブレットの画面を通して、インターネット経由でセミナーを受講する形式です。
本セミナーは、Webex で実施いたします(利用には一切料金はかかりません(通信費除))。
事前に専用アプリのインストールと、簡単な接続テストを行ってください。
※セキュリティ上の理由でアプリのインストールができない場合は、ブラウザ(Google Chrome推奨)でのご参加も可能です。
※セミナー参加方法(Webex専用アプリのインストール方法等含む)は、開催日の2営業日前を目途に、ご参加が確定いたしました皆様宛に、「招待メール」にて、詳細をご案内いたします。
経済産業省HPからの情報は以上です。
詳細は経済産業省HPまで
「製造業における特定技能外国人材受入れに関するオンラインセミナーを開催します」経済産業省〈LINK〉
「製造業における特定技能外国人材受入れセミナー」経済産業省〈LINK〉
「オンラインセミナーチラシ」経済産業省〈PDF〉
「特定技能外国人材制度(製造3分野)ポータルサイト」経済産業省〈LINK〉
まとめ
人手不足解消の方法として、特定技能制度に関心をお持ちの企業の皆様。
特定技能外国人を受け入れたいとは思っているけれど、分からない事が多くて躊躇している方。
経済産業省が開催する、このオンラインセミナーでは、随時チャットにて講師に質問が出来る上、
実際に特定技能を受け入れている企業による事例紹介もありますので
漠然とした疑問や不安を解消する手助けになるかもしれません。
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
出典:経済産業省ウェブサイト
農業就業者48万人減少 就業者確保に向けての動き
先日、このような記事が日本農業新聞に掲載されました。
農水省は27日、2020年農林業センサス(同年2月1日現在)の確定値を発表した。政府が30年に140万人を確保すると見通す「農業就業者数」は160万人となり、5年前の208万人から48万人減った。同省は、若者を農業に呼び込み、定着させる施策を強化する必要があると強調。新規就農に関する検討会を近く新設する考えだ。
農業就業者数は、主な仕事が農業の「基幹的農業従事者数」と、農業法人などの「雇用者(常雇い)」、「役員・構成員(年間150日以上農業に従事)」の合計。政府は食料・農業・農村基本計画に合わせ、30年に140万人を確保する「展望」を示したが、20年時点で160万人まで落ち込んだ。
このうち基幹的農業従事者数は、136万3000人で5年前と比べ39万4000人減った。役員・構成員は8万1000人で同2万3000人減った。高齢化に伴う離農が響いた。常雇いは15万7000人で同6万3000人減少。統計が残る05年以降、右肩上がりで増えていたが、初めて減少に転じた。同省は、雇用する側が高齢化で経営縮小・廃業した影響が大きいと分析する。
同省は「新規就農者を飛躍的に増やし、定着させていくことが、待ったなしの課題になった」(経営局)と危機感を強調。就農後の定着も重視し、新規就農に関する施策を「抜本的にてこ入れしていく必要がある」(同)との考えを示す。
新設する検討会は5月中旬にも始動させる方針。半月に1回ほどのペースで関係者から意見を聞き取る。6月までに検討する人口減少に対応した人・農地関連施策の見直しや、今夏の22年度予算概算要求に反映させる。
深刻な農業就業者数の減少。
新規就農者を飛躍的に増やす事が待ったなし!の課題です。
この状況を打破する方法は何か無いか…と思った農業就業者の皆様!
選択肢の一つとして、特定技能制度を利用してみませんか?
■特定技能制度 生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組み。 |
特定技能外国人についての詳細は、こちらを御覧ください↓
特定技能外国人に求められる基準とは?
特定技能って何…?
外国人は雇った事がないから…
そんな不安を、一緒に解消していきましょう!
特定技能外国人を雇用するポイント〈農業分野〉
では、特定技能外国人を農業分野で雇用する為のポイントを確認していきましょう!
雇用形態はどんな方法があるの?
特定技能外国人を「農業分野」で雇用する方法は、以下になります。
①農業者が受入れ機関として直接雇用する
②派遣事業者が受入れ機関となり、外国人材を派遣してもらう
農業は、冬場は農作業ができないなど季節による作業の繁閑がある事や、同じ地域であっても作目による収穫や定植等の農作業のピーク時が異なるといった特性があり、農繁期の労働力の確保や複数の産地間での労働力の融通といった農業現場のニーズに対応するため、農業分野の事業者による直接雇用に加えて派遣により特定技能外国人を受け入れることが出来ます。
※派遣として特定技能外国人を受け入れる事が出来るのは、農業と漁業のみです。
業務内容は?
特定技能外国人が「農業分野」で従事する業務内容は以下になります。
①耕種農業全般(栽培管理、集出荷・選別等 ※栽培管理の業務が含まれている必要有)
②畜産農業全般(飼養管理、集出荷・選別等 ※飼養管理の業務が含まれている必要有)
同じ業務内容の日本人が、通常従事している関連業務に付随的に従事することは問題ありません。
※専ら関連業務に従事することは認められません。
関連業務の一例:
①農畜産物の製造、加工 ②運搬 ③販売の作業 ④冬場の除雪作業 等
受入れ機関等の条件とは?
特定技能外国人を受け入れる事が出来る事業所の条件は以下になります。
①「農業特定技能協議会」に参加し、必要な協力を行うこと
②過去5年以内に労働者(技能実習生を含む)を少なくとも6か月以上継続して雇用した経験があること 等
■農業特定技能協議会 特定技能制度の適切な運用を図るため、農林水産省が平成31年3月に設置した協議会。構成員の連携の緊密化を図り、各地域の事業者が必要な特定技能外国人が受け入れられるよう、制度や情報の周知、法令遵守の啓発、地域ごとの人手不足の状況を把握しての必要な対応等を実施。 ※全国9ブロック(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国四国、九州、沖縄)にて「地域協議会」も設置。 |
何年間働くことができる?
特定技能制度では、
①5年間継続して働いてもらう
②農閑期等には帰国し、通算で5年間になるまで働いてもらう
のどちらも可能です。
また、在留期間が通算5年を超えなければ、最初に雇用契約を結んだ農業者の下での雇用期間が終わった後、別の農業者と雇用契約を締結し、働いてもらうといったことも可能です。
※ただし、地方出入国在留管理局で新たに在留資格変更許可を受ける必要があります。
特定技能「農業分野」で求められる外国人材の水準
特定技能外国人として働く為に、各分野毎に水準が定めらています。
ここでは特定技能「農業分野」の技能水準、日本語能力水準について紹介します。
技能水準
特定技能「農業分野」で求められる人材の技能水準は、以下になります。
農業技能測定試験(耕種農業全般・畜産農業全般)に合格
農業技能測定試験では、「耕種農業」と「畜産農業」の2種類の試験が実施されます。
農業支援活動に従事するためには、国が定める農業に関する知識・技能などに関する要件を満たす必要があります。この問題には、農業支援活動を行うために必要な日本語の能力を有しているか確認・評価をするための試験問題を含みます。
農業技能測定試験の実施国・開催時期等の最新情報についてはこちら→(一社)全国農業会議所
日本語能力水準
特定技能「農業分野」で求められる人材の日本語能力水準は、以下になります。
「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」
農業支援活動を行うために必要な日本語の能力を有しているか確認・評価をするための試験です。
下記の表に記載された職種・作業の技能実習2号を良好に修了した者については、農業技能測定試験、国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)ともに免除となります。
※記載された職種・作業以外の技能実習2号を良好に修了した者については、国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)のいずれの試験も免除されます。
コロナ禍と「特定技能外国人」
コロナ禍の現在、国内の特定技能外国人は急増しています。
2月末時点で2万386人。前年同期の約7倍にもなります。
背景には、新型コロナウイルスによる渡航制限があります。
技能実習を終えても渡航制限や航空便の運休によって帰国できない技能実習生が、特定技能に移行してます。
「移行」といっても、簡単ではありません。
各分野の技能や日本語能力の試験への合格が必要などハードルは高いです。
※農業分野の試験は上記「特定技能「農業分野」で求められる外国人材の水準」を参照。
農業分野では3122人の特定技能外国人がおり、
全分野の出身国別ではベトナムが6割を占めています。
参考:「コロナ禍で「特定技能」急増 帰国できぬ外国人移行」日本経済新聞
お問い合わせ
いかがでしたか?
特定技能外国人、特定技能「農業分野」等に関する情報をもっと詳しく知りたい、
相談したい方、少しでも特定技能について興味のある方はNES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合へお問い合わせください!
お問い合わせはこちら→特定技能JOB
一定レベルの日本語能力があり、さらに即戦力として雇用出来る「特定技能外国人」。
深刻な人手不足解消の方法の一つとして、特定技能制度の利用を考えてみませんか?
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考:
「特定技能制度」法務省
「農業分野における新たな外国人材の受入れについて」農林水産省
「農業者の皆様へ」農林水産省
特定技能外国人を雇用するために必要な事とは?Vol.2:特定技能雇用契約
前回は「特定技能所属機関」について紹介しました。
特定技能外国人を雇い入れる為には、その基準を満たした「特定技能所属機関」になる必要があります。
その基準は、簡単に言うと「法令等をしっかり守っている会社」となります。
さて今回は「特定技能外国人を雇用するために必要な事」の2つ目、
「特定技能雇用契約」についてご紹介します。
特定技能雇用契約とは
別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号又は第二号に掲げる活動を行おうとする外国人が本邦の公私の機関と締結する雇用に関する契約
引用:「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案要綱」出入国在留管理庁(http://www.moj.go.jp/isa/content/930003759.pdf)
要は「特定技能所属機関」と「特定技能外国人」との雇用契約です。
この特定技能雇用契約にも、法令で細かい基準が定められています。
どのような雇用契約を結ぶ必要があるのか解説します!
特定技能雇用契約の内容
①分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること |
②所定労働時間が,同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること |
③報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること |
④外国人であることを理由として,報酬の決定,教育訓練の実施,福利厚生施設の利用その他の待遇について,差別的な取扱いをしていないこと |
⑤一時帰国を希望した場合,休暇を取得させるものとしていること |
⑥労働者派遣の対象とする場合は,派遣先や派遣期間が定められていること |
⑦外国人が帰国旅費を負担できないときは,受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること |
⑧受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること |
⑨分野に特有の基準に適合すること |
では、一つずつ確認して行きましょう!
①分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること
出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(平成三十一年法務省令第六号)で定める分野に属する同令で定める相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能を要する業務又は当該分野に属する同令で定める熟練した技能を要する業務に外国人を従事させるものであること。
引用:「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(平成三十一年法務省令第五号)e-Govポータル(https://elaws.e-gov.go.jp/)
特定技能外国人に従事してもらう仕事は、どんな業務でもいいわけではありません。
「相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能を要する業務」である必要があります。
あの部署、業務内容が全く違うけど忙しいからちょっと行って来て!等は出来ません。
②所定労働時間が,同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
特定技能外国人は、フルタイムで働く事が想定されています。
ここで言う「通常の労働者」とは、同じ企業で働くフルタイム社員であり、
特定技能外国人も彼等と同じ労働時間に合わせる必要があります。
③報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
特定技能外国人が、同じ仕事をする日本人従業員と同等レベルの技量があるのに、報酬額に差があってはなりません。
外国人だから…等、不当な理由で報酬額を下げる事は決して出来ません。
④外国人であることを理由として,報酬の決定,教育訓練の実施,福利厚生施設の利用その他の待遇について,差別的な取扱いをしていないこと
いかなる場合でも、不当な差別をしてはいけません。
⑤一時帰国を希望した場合,休暇を取得させるものとしていること
特定技能外国人が一時帰国を希望した場合、必要な有給休暇を取得させる必要があります。
また、有給休暇を使ってしまった特定技能外国人から、一時帰国の為の休暇申請があった場合、追加の有給休暇等が取得出来るよう配慮が必要です。
⑥労働者派遣の対象とする場合は,派遣先や派遣期間が定められていること
外国人を労働者派遣等(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣及び船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第十一項に規定する船員派遣をいう。以下同じ。)の対象とする場合にあっては、当該外国人が労働者派遣等をされることとなる本邦の公私の機関の氏名又は名称及び住所並びにその派遣の期間が定められていること。引用:「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」(平成三十一年法務省令第五号)e-Govポータル(https://elaws.e-gov.go.jp/)
⑦外国人が帰国旅費を負担できないときは,受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること
一時帰国の場合ではなく、特定技能雇用契約終了後の帰国の際に旅費を負担出来ない場合、雇用していた会社が旅費を負担し、円滑な出国(チケットの予約等)をサポートする必要があります。
⑧受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。」
引用:「定期健康診断等に関する法令等について」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000111983.pdf)
事業者は、国籍に関わらず労働者の健康を確保する義務が求められます。
特定技能外国人が、日本で安心して暮らし働く事が出来るよう、毎年健康診断を行い緊急連絡先などを整備しなければなりません。
⑨分野に特有の基準に適合すること
前各号に掲げるもののほか、法務大臣が告示で定める特定の産業上の分野に係るものにあっては、当該産業上の分野を所管する関係行政機関の長が、法務大臣と協議の上、当該産業上の分野に特有の事情に鑑みて告示で定める基準に適合すること。
引用:「定期健康診断等に関する法令等について」厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000111983.pdf)
まとめ
今回は「特定技能雇用契約の基準」について紹介致しました。
なかなか細かい基準でしたね。
しかし、ひとつひとつ確認していくと
「外国人だからと不当な扱いをしてはいけない」
「時間・報酬は同じ業務をこなす日本人と同様にする」
など、外国人労働者を守る為の内容が多いように思います。
背景には、「いじめ・パワハラ」「低賃金」など外国人労働者を取り巻く様々な問題があります。その様々な問題を踏まえ、「特定技能」の外国人労働者に対する不等な扱いを防ぐための内容が沢山盛り込まれているんですね!
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考文献:井出誠、長岡俊行(2020)『「特定技能」外国人雇用準備講座』株式会社ビジネス教育出版社
特定技能外国人を雇用するために必要な事とは?Vol.1:特定技能所属機関
2019年から導入された「特定技能」制度。
前回までのブログでは「特定技能について」「特定技能と技能実習の違い」
について紹介してきました。
次は
・うちの会社でも雇えるの?
・どんな決まりがある?
・どんな職種でもOK?
等、特定技能外国人を雇う立場の皆様が思う疑問・不安を解消しましょう!
今回は「特定技能所属機関になるための基準」についてご紹介します。
特定技能を受け入れる事が出来る会社とは?
どの会社でも、どんな職種でもOK…と言うわけではありません。
特定技能外国人を雇い入れる基準を満たした会社を「特定技能所属機関」と言います。
「特定技能所属機関」になるための基準
①労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること |
②1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと |
③1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと |
④欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと |
⑤特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと |
⑥外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと |
⑦受入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと |
⑧支援に要する費用を,直接又は間接に外国人に負担させないこと |
⑨労働者派遣の場合は,派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで,適当と認められる者であるほか、派遣先が①~④の基準に適合すること |
⑩労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること |
⑪雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること |
⑫報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと |
⑬分野に特有の基準に適合すること |
かなり細かく基準が定められていますね!
この中からいくつかピックアップして詳細をご紹介します。
①会社が法令を遵守している事
特定技能所属機関には、労働関係法令、社会保険関係法令、租税関係法令を順守している事が求められています。
日本で事業を営む上で当然の義務を果たしていない、法令を守らないブラック企業では特定技能外国人を雇用する事は出来ない、と言う事です。
②1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
特定技能雇用契約の締結日より1年以内に、雇用する特定技能外国人が就く業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させて居ない事が求められます。
希望退職を募る、退職勧奨なども含まれます。
労働者の中には、外国人労働者はもちろん、日本人労働者も含まれます。
※フルタイムの従業員のみ。
人手不足解消の為に外国人を受け入れる企業が、同種の業務従事者を会社都合で退職させていたら…おかしいですよね。
人件費削減の為に、従業員と特定技能外国人を入れ替えるような事は決して認められません。
特定技能外国人が配属する業務とは違う業務従事者や、自己都合退職、定年退職、懲戒解雇、契約社員が期間満了時に更新を希望しない場合は該当しません。
特定技能雇用契約の締結後に、会社都合の解雇が発生した場合も、基準に達していないとみなされます。
◆特定技能雇用契約 特定技能外国人と特定技能所属機関との間で締結される雇用契約 |
③1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
特定技能雇用契約の締結日前1年以内に、特定技能外国人と技能実習生について、行方不明者を発生させていない事が求められます。
技能実習生制度では、いわゆる「失踪者」の発生が問題になっています。
原因を詳しく調べると、受け入れた企業に法令違反などがあるケースがありました。
このような事実がある場合「実習実施者(受け入れ企業)の責めに帰すべき失踪」として厳しく扱われます。
ただし、適正な受け入れを行っていたにもかかわらず発生した行方不明者については、これに該当しません。
④欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと
特定技能所属機関では、次のいずれにも該当しない事が決められています。
・禁錮以上の刑に処せられた者
・出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた者
・暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者
・社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた者
いずれも「刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」がその対象となります。
その他、精神の機能の障害により特定技能雇用契約を正しく行えない人や、破産者、過去5年間に技能実習の認定取消を受けた人、外国人に対して暴行・脅迫・監禁行為、私生活の自由を不当に制限した場合も特定技能所属機関になることは出来ません。
参考:「受入れ機関の基準」TOKYOビザ申請オフィス(https://office-immi-lawyer.com/blog/immigration-law/ukeirekikann/)
⑥外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと
特定技能雇用契約を締結するに当たり、外国人又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該外国人と社会生活において密接な関係を有する者が、当該特定技能雇用契約に基づく当該外国人の本邦における活動に関連して、他の者に、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず金銭その他の財産の管理をされている場合、又は、他の者との間で、当該特定技能雇用契約の不履行について違約金を定める
契約その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結している場合にあっては、そのことを認識して当該特定技能雇用契約を締結していないこと。
引用:「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」法務省(http://www.moj.go.jp/isa/content/930005307.pdf)
特定技能外国人が「本人や親族以外の人」に名目は何であれ保証金を支払ったり財産管理をされている、不当な金銭を徴収されている事を認識した上で雇用すると、出入国又は労働に関する法令に違反した事となり、5年間は特定技能外国人を受け入れられなくなります。
⑧支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させないこと
特定技能外国人に対しては、義務的な支援として、外国人が出入国しようとする空海港への送迎、外国人と日本人との交流の促進に関する支援、外国人の責めに帰すべき事由によらない契約解除時の転職支援のほか、特定技能雇用契約の内容に関する情報の提供、適切な住居の確保に係る支援等の法務省令に規定される支援を実施しなければならず、これらの支援を実施するためにかかった費用については本人に負担させることは認められません。
引用:「特定技能制度に関するQ&A」法務省(http://www.moj.go.jp/isa/content/930006254.pdf)
特定技能雇用契約の内容に関する情報提供や、住居確保に係る支援というのはなるほど…と思うのですが、特定技能外国人の方が出入国する際の空港や港への送迎も支援の一つなんですね。
⑫報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
特定技能雇用契約に基づく外国人の報酬を、当該外国人の指定する銀行その他の金融機関に対する当該外国人の預金口座若しくは貯金口座への振込み又は当該外国人に現実に支払われた額を確認することができる方法によって支払われることとしており、かつ、当該預金口座又は貯金口座への振込み以外の方法によって報酬の支払をした場合には、出入国在留管理庁長官に対しその支払の事実を裏付ける客観的な資料を提出し、出入国在留管理庁長官の確認を受けることとしていること。
引用:「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」法務省(http://www.moj.go.jp/isa/content/930005307.pdf)
特定技能外国人に対する給料の支払は確実で適正なものにする必要があるため、当該外国人に対し、給料支払方法として預金口座への振込みがあることを説明した上で、同意がある場合には、預貯金口座への振込みにより行うことが求められます。
振込み以外の支払方法も可能とされていますが、その場合には、後に入管から支払の事実を証する客観的な証拠資料の提出が求められることがあります。
⑬分野に特有の基準に適合すること
以前のブログでも紹介しておりますが、特定技能は「国内の人手不足が深刻化する14業種を対象に外国人の在留資格を認める新しい在留資格制度」です。
生産性向上や国内人材の確保のための取組を行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく制度です。
特定産業分野14業種
介護 | ビルクリーニング | 素形材産業 |
産業機械製造業 | 電気・電子情報関連産業 | 建設 |
造船・舶用工業 | 自動車整備 | 航空 |
宿泊 | 農業 | 漁業 |
飲食料品製造業 | 外食業 |
特定技能2号に関しては、いまのところ建設、造船・舶用工業の2分野のみが該当しております。
現在含まれていない分野でも、14業種と同様に人材不足の状態になり関係機関より必要と判断されれば、
今後分野の拡大があるかもしれません!
まとめ
今回は「特定技能所属機関になるための基準」について紹介しました。
特定技能所属機関になる為に、色々と細かい基準がありますが、きちんと法令等を守ってる会社でしか特定技能外国人を受け入れる事は出来ないと言う事ですね!当たり前の事ですが、基準として明記されていると安心感があります。
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考文献:井出誠、長岡俊行(2020)『「特定技能」外国人雇用準備講座』株式会社ビジネス教育出版社
特定技能と技能実習の違いは?
2019年から導入された「特定技能」制度。
- 名前だけなんとなく聞いた事はあるけど…
- 自分で調べたけれど専門用語が多くて…
- 制度を利用したいけれど、どうすれば…
そんな皆様の疑問・不安をこのブログで解消しましょう!
今回は「特定技能と技能実習の違い」について、簡単に解説します。
技能実習生とは?
特定技能について調べていると、ふと湧いてくる疑問。
「外国人の雇用の制度と言えば技能実習って制度があったよね?」
「そもそも技能実習制度って、どんな内容だった?」
前回のブログでも触れておりますが、現在、新型コロナウイルスの蔓延により、日本だけでなく世界規模で経済が混乱している状態が続いています。日本でも出入国規制が続いており、海外からの人材の流入ができていません。
現在日本に在住している外国人の在留資格を「特定技能に切り替えて採用する方法」があります。
その1つは「技能実習2号の良好な修了者」です。
コロナ禍において外国人人材を確保する方法として、技能実習生は深く関わっております。
まずは「技能実習生」についておさらいしましょう!
技能実習生とは「国際貢献」
外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。
平成28年11月28日に公布され、平成29年11月1日に施行された外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)に基づいて、新しい技能実習制度が実施されています。
引用:厚生労働省(hlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/index.html)
簡単に説明すると「途上国から人材を呼び、日本の技能を教え、帰国後に母国の経済発展に役立てて貰おう」という国際貢献を目的とした制度です。
技能実習の期間と区分
1号(1年目)・2号(2・3年目)・3号(4・5年目)の在留資格で日本に滞在することになりますが、
段階を上がるには「技能検定」や「技能実習評価試験」に合格する必要があります。
3年間は原則的に実習先を変更することが出来ません。つまり、転職が出来ないという事です。
期間は1号が1年、2・3号が2年ずつで最長5年となります。
技能実習2号や3号の良好修了者は、技能と日本語能力の試験が免除され、特定技能への移行が可能です。
※業種によって移行出来ない職種もあります。
技能実習生について、おさらい出来ましたでしょうか?
さて、ここからが本題です!
特定技能と技能実習生の違い
「特定技能=国内の人材確保」と「技能実習=国際貢献」という全く違う目的を持った制度。
双方の違いを、わかりやすく表にまとめました。
技能実習(団体監理型) | 特定技能(1号) | |
関係法令 | 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律/出入国管理及び難民認定法 | 出入国管理及び難民認定法 |
在留資格 | 在留資格「技能実習」 | 在留資格「特定技能」 |
在留期間 | 技能実習1号:1年以内,技能実習2号:2年以内,技能実習3号:2年以内(合計で最長5年) | 通算5年 |
外国人の技能水準 | なし | 相当程度の知識又は経験が必要 |
入国時の試験 | なし(介護職種のみ入国時N4レベルの日本語能力要件あり) | 技能水準,日本語能力水準を試験等で確認(技能実習2号を良好に修了した者は試験等免除) |
送出機関 | 外国政府の推薦又は認定を受けた機関 | なし |
監理団体 | あり(非営利の事業協同組合等が実習実施者への監査その他の監理事業を行う。主務大臣による許可制) | なし |
支援機関 | なし | あり(個人又は団体が受入れ機関からの委託を受けて特定技能外国人に住居の確保その他の支援を行う。出入国在留管理庁による登録制) |
外国人と受入れ機関のマッチング | 通常監理団体と送出機関を通して行われる | 受入れ機関が直接海外で採用活動を行い又は国内外のあっせん機関等を通じて採用することが可能 |
受入れ機関の人数枠 | 常勤職員の総数に応じた人数枠あり | 人数枠なし(介護分野,建設分野を除く) |
活動内容 | 技能実習計画に基づいて,講習を受け,及び技能等に係る業務に従事する活動(1号)技能実習計画に基づいて技能等を要する業務に従事する活動(2号,3号) (非専門的・技術的分野) | 相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動(専門的・技術的分野) |
転籍・転職 | 原則不可。ただし,実習実施者の倒産等やむを得ない場合や,2号から3号への移行時は転籍可能 | 同一の業務区分内又は試験によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間において転職可能 |
表にすると、違いがよくわかりますね!
主要な違いをピックアップしてみましょう。
☆日本語・技能水準を設定
☆転職が可能になった
☆受け入れ人数の有無
他にも、表では紹介出来なかった「特定技能2号」になると、
母国にいる家族を呼ぶことも出来ます。
別の捉え方をすると
技能実習は「技能も日本語も初歩から教える制度」
特定技能は「ある程度の能力を持った人材を即戦力として受け入れる制度」
と言えるでしょう。
特定技能が取得出来る対象国は?
前回のブログでは「原則としてどの国籍の外国人の方でも取得することは可能」と紹介しております。
今回はここを掘り下げて行きましょう!
特定技能の対象となる外国人の国籍は?
実際に日本で労働する特定技能外国人に対して、国籍は特に限定されていません。
ただし、入管法違反等で強制送還が生じた際に自国民の引き取り義務を履行しないなど、退去強制に協力しない国や地域からの受け入れは認められていません。
2019年4月1日時点において、この基準によって除外される国・地域はイラン・イスラム共和国のみです。
参考:出入国在留管理庁(令和2年4月)「特定技能外国人の受け入れに関する運用要領(http://www.moj.go.jp/content/001315380.pdf)
その他の国・地域からの受け入れについては、特に制限はありませんが「日本政府との間で協力覚書(二国間協定)を結んだ国」がメインになります。
特定技能の二国間協定とは、日本が外国人労働者を送り出す国と締結している取り決めのことです。協力覚書(MOC:Memorandum of Cooperation)とも呼ばれます。外国人労働者を受け入れる必要性が高まる中、各国との約束やルールを明確に定め、受け入れ/送り出しの協力・連携を円滑にするためのものです。
簡単に言えば、法律の違う国同士がやり取りする際のトラブルを少しでも避ける為に制定された、二国間における共通の約束のようなものですね。
なお、二国間協定を締結していない国から人材を受け入れることも可能です。
参考:外国人採用タイムズ「特定技能の「二国間協定」とは?目的や手続きについても解説」
(https://willof-factory.co.jp/articles/tokuteiginou/detail1392/)
特定技能に関する二国間協定の目的は?
この協定は
「悪徳なブローカー・仲介業者の排除」
「人権侵害行為・偽変造文書に関する情報共有」
といった大きな目的があります。
※内容は各国異なる部分もあります。
日本と二国間協定を結んでいる国は?
2021年4月2日時点で、日本と特定技能についての二国間協定を結んでいる国は以下の13カ国です。※日付は締結日
フィリピン・カンボジア・ネパール・ミャンマー・モンゴル・スリランカ・インドネシア・
ベトナム・バングラデシュ・ウズベキスタン・パキスタン・タイ・インド
参考:出入国残留管理庁(http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri05_00021.html)
まとめ
今回は「特定技能と技能実習の違い」について解説しました。
実際に日本で労働する特定技能外国人の主な国・地域
・二国間協定が結ばれた「主要13ヶ国」
・両国の法令を遵守すれば受け入れ可能な国
・日本からの退去強制へ協力しない国・地域は除外
特定技能についての二国間協定とは
「悪徳なブローカー・仲介業者の排除」「人権侵害行為・偽変造文書に関する情報共有」等を目的とした、日本と送り出し国の二国間での約束。
特定技能と技能実習の違い
特定技能…国内の人材確保が目的。即戦力として受け入れる制度。
技能実習…国際貢献。
似たような制度かと思いきや、全く違う目的を持った各制度。それぞれの特徴を生かして、活用出来るといいですね!
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考文献:井出誠、長岡俊行(2020)『「特定技能」外国人雇用準備講座』株式会社ビジネス教育出版社
特定技能とは?コロナ渦でも外国人労働者は採用できるのか?
2019年から導入された「特定技能」制度。
- 名前だけなんとなく聞いた事はあるけど…
- 自分で調べたけれど専門用語が多くて…
- 制度を利用したいけれど、どうすれば…
そんな皆様の疑問・不安をこのブログで解消しましょう!
今回は「特定技能」制度の詳細、現状をご紹介します。
特定技能とはどんな制度?
特定技能とは「国内の人手不足が深刻化する14業種を対象に外国人の在留資格を認める新しい在留資格制度」で、2019年4月1日から開始されました。
生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく制度です。
特定技能の対象になるのはどんな業種?
外国人の就労が解禁されている特定技能の対象業種としては、主に深刻な人手不足と認められた下記の14業種が該当となります。
◆特定技能1号受け入れ可能14分野対象
①介護業 | 身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴,食事,排せつの介助等)のほか,これに付随する支援業務(レクリエーションの実施,機能訓練の補助等)(注)訪問系サービスは対象外 |
②ビルクリーニング業 | 建築物内部の清掃 |
③素形材産業 | 鋳造・鍛造・ダイカスト・機械加工・金属プレス加工・工場板金・めっき・アルミニウム陽極酸化処理・仕上げ・機械検査・機械保全・塗装・溶接 |
④産業機械製造業 | 鋳造・鍛造・ダイカスト・機械加工・仕上げ・機械検査・機械保全・電子機器組立て・塗装・鉄工・工場板金・めっき・溶接・工業包装・電気機器組立て・プリント配線板製造・プラスチック成形・金属プレス加工 |
⑤電気・電子情報関連産業 | 機械加工・金属プレス加工・工場板金・めっき・仕上げ・機械保全・電子機器組立て・電気機器組立て・プリント配線板製造・プラスチック成形・塗装・溶接 |
⑥建設業 | 型枠施工・左官・コンクリート圧送・トンネル推進工・建設機械施工・土工・屋根ふき・電気通信・鉄筋施工・鉄筋継手・内装仕上げ/表装・とび・建築大工・配管・建築板金・保温保冷・吹付ウレタン断熱・海洋土木工 |
⑦造船・舶用工業 | 溶接・塗装・鉄工・仕上げ・機械加工・電気機器組立て |
⑧自動車整備業 | 自動車の日常点検整備,定期点検整備,分解整備 |
⑨航空業 | 空港グランドハンドリング(地上走行支援業務,手荷物・貨物取扱業務等)・航空機整備(機体,装備品等の整備業務等) |
⑩宿泊業 | フロント,企画・広報,接客,レストランサービス等の宿泊サービスの提供 |
⑪農業 | 耕種農業全般(栽培管理,農産物の集出荷・選別等)・畜産農業全般(飼養管理,畜産物の集出荷・選別等) |
⑫漁業 | 漁業(漁具の製作・補修,水産動植物の探索,漁具・漁労機械の操作,水産動植物の採捕,漁獲物の処理・保蔵,安全衛生の確保等)・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理,養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理,安全衛生の確保等) |
⑬飲食料品製造業 | 飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工,安全衛生) |
⑭外食業 | 外食業全般(飲食物調理,接客,店舗管理) |
特定技能の対象となる外国人は?
新制度に適合した技能や日本語能力があるかどうかを求めており、学歴などについては特に問われませんが、年齢は18歳以上となっています。
また、原則としてどの国籍の外国人の方でも取得することは可能です。
ただし例外として、改正出入国及び難民認定法違反による退去強制令書の円滑な執行に協力しない国や地域(例:イラン・イスラム共和国等)の方は、「特定技能の在留資格」で来日することはできません。
対象となる外国人は「特定技能1号・2号」と位置づけされており、以下のように定義しています。
◆特定技能1号 ※在留期間が1年で、6ヵ月または4ヵ月ごとに更新があり、最長で5年まで在留が可能です。家族の帯同は基本的に認められていません。 「業務を行うために必要な知識と経験を有している外国人」が「特定技能1号」に該当し、対象業種は先述の「14業種」としています。 |
◆特定技能2号 ※在留期間が3年で、以後1年または6カ月ごとの更新、家族(配偶者あるいは子)の帯同が認められています。 特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格となっています。こちらの「特定技能2号」は、「建設業」と「造船・舶用工業」の2業種のみ対象となっており、運用が開始されるのが2021年以降に予定されています。 ※「在留資格」とは、外国人が日本に入国・在留して行うことのできる活動を類型化したものです。 |
特定技能1号になるためには?
特定技能1号になるための要件については、
- 技能水準
- 日本語能力水準
という2つの基準が定められており、その基準を満たす必要があります。
技能水準 | ◆技能測定試験技能水準については、各省庁が定めた試験等を合格する必要があります。(例えば介護職であれば、介護技術を確認する試験に合格しなければなりません。) |
日本語能力水準 | ◆日本語能力試験または国際交流基金日本語基礎テスト日本語能力水準では、日本で生活や業務行うために必要な日本語能力を有しているかどうかを試験して、合格する必要があります。「日本語能力試験(N4以上)」あるいは「国際交流基金日本語基礎テスト」(A2レベル以上) |
特定技能の現状
新たな在留資格「特定技能」制度が開始されて1年半以上が経ちましたが、法務省から発表されている最新数値を見ると、特定技能全14分野を合わせて「8,769人」となっています。
制度開始時の受入想定の最大人数が「約47,000人」であったことを考えると、特定技能制度は当初の想定よりも活用されていないということが言えます。
労働力不足解消が近々の課題となっている日本にとっては、「特定技能」制度を企業側に積極的に活用してもらえるようにしなければなりません。2021年度には初回制度見直しがあり、制度創設からの約2年間でもかなり多くの制度改正が行われていることから「特定技能」制度にはまだまだ課題点が多いようです。
また、業種別の内訳を見てみると、「飲食料品製造」が最も多く、次いで「農業分野」が多い人数となっています。
参照:http://www.moj.go.jp/isa/content/001334461.pdf
特定技能に対するコロナの影響と今後の見通し
現在、新型コロナウイルスの蔓延により、日本だけでなく世界規模で経済が混乱している状態が続いています。
日本でも出入国規制が続いており、海外からの人材の流入ができていません。
法務省の出入国在留管理庁がまとめた2020年6月末のデータによると、在留外国人数は288万人と、過去最高だった2019年末から1.6%減少し、技能実習生も2.1%減っています。
また令和2年9月末時点での「特定技能1号在留外国人数」の総数は、8769人となっています。
参照:http://www.moj.go.jp/isa/content/001334461.pdf
先述しましたが、当初日本政府が想定していた特定技能の目標人数は「約47,000人」でしたが、今現在に至っても目標人数を大きく下回っています。
これは新型コロナウイルスの影響も大いに考えられますが、もう一つの理由としては法案の成立から施行が非常に短かったことで、制度の整備が遅れ、不透明で分かりづらい状況が続いてしまったことがあるようです。
そのため、特定技能活用に前向きだった多くの企業も、制度が不透明なので、対応時期を見送る判断をしたことも要因の一つです。
今後、コロナ禍が落ち着き入国制限が解除されたときに、「特定技能」を企業側から積極的に取り入れてもらうためには、まず制度の明確化や簡素化などの立て直しが必要となりそうです。
また、現在は入国制限解除がいつになるのか見通せない状況となっています。
そんな現在のコロナ禍において外国人人材を確保する方法として、日本に在住している外国人の在留資格を特定技能に切り替えて採用することを検討する企業が増えていています。
①入国予定だった特定技能者の現状と今後
新型コロナウイルスの影響による日本への入国規制により、在留資格の認定が下りていても入国できず、母国で規制解除を待っている状態の外国人の方が多くいます。
しかし昨年末(12月26日)、全世界の国・地域からの新規入国措置等が令和2年12月28日から令和3年1月末まで一時停止となる旨の政府決定がありました。
さらに、2021年1月13日付けで一時停止期間が「緊急事態解除宣言が発せられるまで」に変更となり、2021年3月18日付で、当面の間一時停止が継続されることとなりました。
②現在日本に在住している特定技能者
このような海外からの入国の目途が立っていない今の状況で外国人人材を確保する方法として、現在日本に在住している外国人の在留資格を、特定技能に切り替えて採用することに多くの企業様の注目が集まっています。
日本国内にいる人材を特定技能に切り替える方法は下記の2つの方法があります。
(1)分野別試験、日本語能力試験の両方に合格している方
こちらの対象となる方の多くは留学生です。そのため、入社の時期が卒業のタイミングの4月に集中することが多く、分野別の試験自体もまだまだ頻繁に行われていないこともあり、試験合格者が特定技能に変更するにはもう少し時間がかかりそうな印象です。
(2)技能実習の2号を良好に修了している方
こちらの対象となる技能実習生の中には、特定技能への移行を希望して継続的に日本で働きたい方がたくさんいます。新型コロナウイルスの影響で出国できず母国に帰国できないため、特に特定技能への移行を希望する外国人の方は多くなっています。企業側でも現在注目しているのはこちらの(2)の国内にいる技能実習生です。
参考:https://willof-factory.co.jp/articles/tokuteiginou/detail780/
入出国在留管理庁の特定技能総合支援サイト:https://www.ssw.go.jp/
まとめ
今回は特定技能について紹介致しました!
労働力不足解消が近々の課題となっている日本にとっては、「特定技能」制度を企業側に積極的に活用してもらえるようにしなければなりません。2021年度には初回制度見直しがあり、制度創設からの約2年間でもかなり多くの制度改正が行われていることから「特定技能」制度にはまだまだ課題点が多いようです。
人材不足解消の糸口となる「特定技能制度」について、これからも様々な情報を紹介致します!
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