新型コロナ「オミクロン株」拡大による水際対策:外国人の新規入国原則停止
目次
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン型」が各国に拡大しているのを受けて、政府は水際対策として、2021年11月30日から全ての外国人の新規入国を原則停止しました。
11月8日から入国制限が一時緩和し、特定技能外国人を始めとする外国人材の受け入れ準備を始めていた多くの企業にとっては、戸惑いの声が上がっています。
今回は、入国停止に関する情報やニュースの紹介と、日本からの渡航者に対する各国の対応をご紹介します。
日本への入国停止について(2021年12月10日㈮時点)
2021年11月30日㈫(日本時間)以降、予防的観点から当面1か月の間、全ての国と地域からの外国人の新規入国が原則停止となっております(査証発給済者を含む)。
再入国する在留資格保持者や日本人や永住者の配偶者と子どもなど、特段の事情があると見なされる場合は例外とされています。
しかし12月1日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の国内確認を受け、2日より入国停止措置が厳格化されました。
その①在留資格保持者の再入国について、アンゴラ、エスワティニ、ザンビア、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ、モザンビーク、レソトの10カ国を対象に、2日から例外扱いを原則停止。
その②国費留学生やJETプログラム(外国青年招致事業)参加者の新規入国を停止。
1日当たりの入国者の上限は、11月26日時点で5000人にまで拡大しましたが、11月30日より再び3500人程度とされています。
現在、オミクロン株の感染者と同じ航空機に搭乗していた乗客は、全員濃厚接触者と見なされます。
濃厚接触者に認定されると、指定宿泊施設での待機を求められ、14日間は外出不可となります。
57の国と地域から入国する日本人や在留資格を持つ外国人には、現地の感染状況などに応じて入国後3日間から10日間、検疫所が指定する宿泊施設にとどまってもらう「停留」の措置が取られ、オミクロン株の感染者が確認されていないアルゼンチンやフィリピンなど17の国と地域については、ワクチンを接種していることなどを条件に自宅での待機が認められています。
※一時、日本に到着するすべての国際線の新たな予約を停止するよう国は航空会社に要請しましたが、海外に居る日本人への帰国需要への配慮すべきとの声が上がり、現在ではこの要請は取り下げられています
詳細はこちら👇
「水際対策強化に係る新たな措置について(オミクロン株に対する水際措置の強化)」外務省
「オミクロン株 感染未確認国からの入国 条件付きで自宅待機容認」NHK
「オミクロン株、市中感染に警戒 水際食い止めに全力―スクリーニング検査も・厚労省」時事ドットコム
「10カ国の再入国停止 変異株拡大で水際例外絞る―国費留学生も認めず・政府」時事ドットコム
日本での「オミクロン株」感染例
2021年12月10日現在、4例の感染が確認されています。
それぞれ、南米、アフリカ、ヨーロッパから入国された方、滞在歴のある方です。
日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置
2021年12月10日現在の情報です。
新型コロナウイルスに関する情報は流動的ですので、最新は各国当局のホームページなどをご確認ください。
👉「新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置」外務省
日本からの渡航者や日本人に対して入国制限措置をとっている国・地域
2021年12月10日現在、67の国と地域で、日本からの渡航者や日本人に対して入国制限措置が取られています。
特定技能外国人の在留人数、上位4ヶ国の対応を紹介します。
ベトナム
2020年3月22日から、全ての国・地域からの外国人の入国を停止する(ただし、外交旅券、公用旅券所持者、その他特別な場合(①重要な外交活動に参加、従事する外国人、②専門家、企業管理者、高技能労働者等)に対しては、必要であれば査証を発給する。在ベトナムの各代表機関が、それらの者に対する医療観察を実施することを約束する形をとる。さらに、専門家、企業管理者、高技能労働者については、居住国の権限ある陰性証明書を提示し、証明書に関するベトナム政府の承認を得る必要がある。)。ハノイ空港、ホーチミン空港では国際線旅客便の受入れを停止する。
フィリピン
2020年3月22日から当面の間、全ての在外公館における新規査証発給を停止する。また、査証免除制度についても運用を停止する。ただし、有効かつ既存の査証を所持する者等の入国は許可する。所持している有効な査証が短期渡航者ビザの場合は、フィリピン外務省発行の「入国禁止措置からの免除書類」を提示することを条件に入国を許可する。
中国
2021年9月13日から、日本から中国への渡航には、航空機搭乗2日以内(検体採取日を基準とする)に駐日本中国大使館・総領事館指定の検査機関において、新型コロナウイルスPCR検査及び血清IgM抗体検査を行い、検査証明の取得が必要である。また、(ア)陽性歴の無い者、(イ)陽性歴のある者、(ウ)乗り継ぎ及び国際船舶の船員の場合、それぞれ調整措置がある。
インドネシア
査証、APECトラベルビジネスカード、滞在許可(一時滞在許可(ITAS)/定住許可(ITAP)等)の所持者の入国は可能。査証免除及び到着査証(VOA)は停止。
その他の国や地域に関する情報は外務省ホームページでご確認ください
日本からの渡航者や日本人に対して入国に際して条件や行動制限措置を課している国・地域
2021年12月9日現在、188か国と地域で、入国時の条件や行動制限措置が課せられています。
特定技能外国人の在留人数、上位4ヶ国の対応を紹介します。
ベトナム
入国者は、PCR検査等(RT-PCR。鼻咽頭拭い液方式)を受け、入国3日前までに発行された陰性証明書を取得しなければならない。
ベトナムへの入国に際しての条件は以下のとおり。
・入国承認等の事前申請・取得
・一時在留カード(TRC)又は査証の事前申請・取得
・入国前のPCR検査等の受検と陰性証明書の取得(注)
・入国前24時間以内のオンラインでの医療申告
・入国後14日間の集中隔離、隔離後居住地域において14日間の医療観察。隔離期間中の所定の回数のPCR検査等の受検。現在、ワクチン接種証明書の原本又は写しを入国申請手続の際に提出した者はそれぞれ7日間に緩和する措置を暫定的に運用中。(地域によって異なる)
※優先往来制度は一時停止中(特別な外交分野の入国ケースを除く)
フィリピン
①ワクチン接種証明書を所持している日本人渡航者
ア:渡航前72時間以内に受けたPCR検査の陰性結果を提示できる場合
事前予約済みの検疫施設での隔離を行う。入国3日目にPCR検査を受けるとともに、検査結果が陰性の場合、施設を退去して国内目的地(自宅又は宿泊施設)に移動し、14日目まで健康状態の自主観察を行う(自主観察期間中の外出は可能。)。
イ:渡航前PCR検査結果を証明できない場合
事前予約済みの検疫施設での隔離を行う。入国5日目にPCR検査を受けるとともに、検査結果が陰性の場合、施設を退去して国内目的地(自宅又は宿泊施設)に移動し、10日目まで自宅待機を行う。
②ワクチン接種証明書を所持していない日本人渡航者
入国後、事前予約済みの検疫施設での隔離を行う。入国7日目にPCR検査を受けるとともに、検査結果が陰性の場合、施設を退去して国内目的地(自宅又は宿泊施設)に移動し、14日目まで自宅待機を行う。
※上記①、②共通
全てのフィリピン入国者は、事前にオンラインで「One Health Pass」に登録し、登録完了後に表示されるQRコード及び手続番号をスマートフォン等端末に保管し、これらを入国時にフィリピン検疫局に提示する必要がある。
中国
2021年9月13日から、日本から中国への渡航には、航空機搭乗前2日以内(検体採取日を基準とする)に中国駐日大使館・総領事館指定の検査機関において、新型コロナウイルスPCR検査及び血清IgM抗体検査(ダブル検査)を行い、検査証明の取得が必要である。
インドネシア
現在、入国を認めるのは、査証、APECトラベルカード、滞在許可(一時滞在許可(ITAS)/定住許可(ITAP)等)を所持している者であり、入国時にPCR検査陰性証明書及びワクチン接種証明書の提示を求める。
※ワクチン接種証明書を有していても、上記防疫措置の免除・緩和は行われていない。
その他の国や地域に関する情報は外務省ホームページでご確認ください
👉「新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置」外務省
特定技能外国人関連のニュース
今回の入国停止に関わる、特定外国人関連のニュースとリンクとなります。
渡航制限も緩和され、特定技能外国人を受け入れを進めていた企業や施設も、今回の入国停止で手続きも中断。
慢性的に人手が足りない業界にとって、落胆を隠せない状況です。
👉「入国停止、企業対応急ぐ 「特定技能」受け入れ停滞も」日本経済新聞
再入国許可(みなし再入国許可を含む。)により出国される外国人の方へ
上陸申請日前14日以内に、外務省及び厚生労働省において指定される水際対策上特に対応すべき変異株等に対する指定国・地域のうち、再入国原則拒否の対象となっている国・地域に滞在歴のある在留資格保持者の再入国は、特段の事情がない限り拒否することとしています。
※今回の再入国拒否対象に「特別永住者」の方は含まれておりません。
詳しくはこちら👉「再入国の許可(みなし再入国許可を含む。)により出国される外国人の方へ」出入国在留管理庁
まとめ
今年の9月30日、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全ての地域で解除されて約半年。
外国との渡航制限も一時緩和されてきた矢先の「オミクロン株」の拡大。
一筋縄では行かないウイルスとの戦いは、しばらく続きそうです。
今後の動きにも注目していきたいと思います。
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参考:
「水際対策強化に係る新たな措置について(オミクロン株に対する水際措置の強化)」外務省
「オミクロン株 感染未確認国からの入国 条件付きで自宅待機容認」NHK
「オミクロン株、市中感染に警戒 水際食い止めに全力―スクリーニング検査も・厚労省」時事ドットコム
「首相、邦人帰国に「配慮」 国際線の予約停止」産経新聞
「10カ国の再入国停止 変異株拡大で水際例外絞る―国費留学生も認めず・政府」時事ドットコム
「新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国に際しての条件・行動制限措置」外務省
「入国停止、企業対応急ぐ 「特定技能」受け入れ停滞も」日本経済新聞
「入国原則停止 介護施設から戸惑いの声」テレビ西日本
「再入国の許可(みなし再入国許可を含む。)により出国される外国人の方へ」出入国在留管理庁