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特定技能・分野別運用方針「⑩宿泊分野」

特定技能外国人の雇用が可能な業種は、国が特定産業分野に指定した14業種になります。
全ての分野共通の基準とは別に、それぞれの分野で固有の基準が設けられています。

では、業種別に詳細を確認していきましょう!
今回は「宿泊分野」の基準について紹介します。

宿泊分野の現状

近年の訪日外国人旅行者の増加や、2020年4,000万人、2030年6,000万人の政府目標達成に向けた宿泊需要に対応するため、全国にわたり、宿泊分野の人材確保が必要不可欠となります。平成30年の時点で既に約3万人の人手不足が生じているものと推計され、さらに、今後の訪日外国人旅行者の増加等に伴い、令和5年までに全国で10万人程度の人手不足が生じる見込みとされています。

特定技能「宿泊分野」の基準

宿泊分野における基準や業務内容、特定技能外国人に求められる水準についてご紹介します!

雇用形態について

特定技能外国人を「宿泊分野」で雇用する方法は、直接雇用のみとなります。
※派遣による受け入れは認められておりません。

受け入れ人数について

宿泊分野では、受入れ機関ごとの受入れ人数に制限はありません

特定技能外国人が従事する業務内容について

1号特定技能外国人が「宿泊分野」で従事する業務内容は、以下になります。

宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客およびレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務

これらの業務に幅広く従事する必要があります。ただし職場の状況に応じて、例えば、許可された在留期間全体の中の一部の期間においてフロント係に配置されるなど、特定の業務のみに従事することも差し支えありません。

同じ業務内容の日本人が、通常従事する事となる関連業務に付随的に従事することは問題ありません。
※専ら関連業務に従事することは認められません。
関連業務の一例:
①旅館、ホテルの施設内の土産物等売店における販売業務
②旅館、ホテルの施設内の備品の点検・交換業務

技能水準について

特定技能「宿泊分野」で求められる人材の技能水準は、以下を満たしている者となります。

宿泊業技能測定試験に合格

宿泊業技能測定試験は、フロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の様々な業務について、定型的な内容であれば独力で実施できることを求めることとしており、これらの業務に係る技能・知識を確認するものです。

宿泊業技能測定試験詳細

実施方法:学科試験、実技試験
実施方式:学科試験…コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式
     実技試験…コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式または口頭による判断等試験
受験資格:17歳以上
試験範囲:宿泊施設におけるフロント業務、企画・広報業務、接客業務、
     レストランサービス業務、安全衛生、宿泊業の基本事項
合否基準:学科試験および実技試験それぞれの正答率が65%以上

詳細はこちら👉「宿泊業技能測定試験案内」一般社団法人 宿泊業技能試験センター

日本語能力水準について

特定技能「宿泊分野」で求められる人材の日本語能力水準は、以下になります。

「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」合格

職種・作業の種類にかかわらず、技能実習2号を良好に修了した者は、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力水準を有する者と評価され、国際交流基金日本語基礎テストおよび日本語能力試験(N4以上)のいずれの試験も免除されます。

宿泊分野の特徴的な基準

特定産業分野14業種の中で、宿泊分野にのみ定められている特徴的な基準があります。

①旅館・ホテル営業の形態かつ所定の条件を満たすこと
②宿泊分野特定技能協議会への加入

では、確認して行きましょう!

①旅館・ホテル営業の形態かつ所定の条件を満たすこと

特定技能所属機関は、旅館・ホテル営業(旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第2項に規定する旅館・ホテル営業をいう)の許可を受けて旅館業を営んでおり、かつ、次のいずれにも該当することとされています。

・ 旅館業法に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けていること
・ 風俗営業法に規定する「施設」に該当しないこと(ラブホテル等)
・ 特定技能外国人に対して風俗営業法に規定する「接待」を行わせないこと

②宿泊分野特定技能協議会への加入

初めて宿泊分野の特定技能外国人を受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に、国土交通省が設置する宿泊分野に係る特定技能外国人の受入れに関する協議会に加入し、加入後は協議会のほか、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うなどしなければなりません。

入国後4か月以内に協議会に加入していない場合、協議会に対し必要な協力を行わない場合には、特定技能外国人の受入れができないこととなります。

活動内容
①特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知
②受入れに係る人権上の問題等への対応策の検討
③特定技能所属機関等に対する法令順守の啓発
④特定技能所属機関の倒産時等における特定技能外国人に対する転職支援(特定技能所属機関等が支援義務を果たせない場合における情報提供等の必要な検討)
⑤就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析
⑥地域別の人手不足の状況の把握・分析
⑦上記⑥を踏まえた大都市圏等への集中回避に係る対応策の検討・調整(看過しがたい偏在が生じた場合の協議会による大都市圏での受入れの自粛要請や、特定技能所属機関による他の機関に雇用されている特定技能外国人の引抜きの自粛要請等を含む。)
⑧宿泊分野における生産性の向上や国内人材確保のための取組の調査・啓発
⑨特定技能所属機関及び登録支援機関が構成員であることの証明
⑩その他、第2条の目的を達成するために必要な情報・課題の共有、協議等

受け入れ事例紹介動画

観光庁、出入国在留管理庁が公開している「宿泊分野」の受入れ事例紹介です。

👉「宿泊分野における特定技能外国人等の受入れ事例」観光庁【PDF】
👉「宿泊分野」出入国在留管理庁【LINK】

宿泊技能人材ポータルサイト

宿泊技能人材ポータルサイトには、特定技能制度や宿泊業務に関する動画、イベント情報、受け入れ事例などが掲載されております。

👉「宿泊技能人材ポータルサイト」観光庁

まとめ

今回は特定技能「宿泊分野」の基準について、紹介しました。

労働効率化や国内人材の確保のため、女性のキャリアアップを促進する教育研修制度の確立や高齢者が働きやすい勤務体系の導入、休館日の導入、有給休暇完全消化の徹底等の労働環境の改善に取り組んでもなお人手不足な宿泊分野。
即戦力となる特定技能外国人の活躍が期待されます。

※宿泊分野においては、特定技能2号での受入れを行うことはできません

NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!

参考:
「特定技能測定試験について」一般社団法人 宿泊業技能試験センター
「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -宿泊分野の基準について-」法務省・国土交通省
「宿泊分野」出入国在留管理庁
「宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(概要)」国土交通省観光庁

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