2021年7月
★試験案内★ 特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)
公益社団法人 日本航空技術協会より、特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)の詳細が公開されたのでご紹介します。
試験実施予定の最新情報や詳細につきましては、公益社団法人 日本航空技術協会のウェブサイトでご確認ください。
👉「特定技能評価試験(航空分野:グランドハンドリング)」公益社団法人日本航空技術協会
試験の目的
特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)は、日本の航空業のうち、空港グランドハンドリング業務で就労を希望する国内外の外国人に対して、在留資格付与の要件となる専門技能水準を確認するために行われます。
試験実施情報
試験日 | 令和3年8月24日㈫ |
定員 | 約80名※ |
試験区分 | 航空分野:空港グランドハンドリング |
実施方法 | 学科試験:ペーパーテスト形式・真偽法(○×式)・選択法 実技試験:ペーパーテスト形式・選択法(写真・イラスト等を用いた判断等試験) |
試験会場 | 〒144-0035 東京都大田区南蒲田 1-20-20 大田区産業プラザ(PiO) ※詳細は受験票送付時にお知らせ |
試験時間 | 学科試験…45分 実技試験…30分 |
試験範囲 | 日本航空技術協会のホームページに掲載するテキストの中から出題 |
受験料 | 4,000円(税込)※今年度、国からの助成はありません。 |
合格基準 | 筆記試験および実技試験それぞれの正答率が65%以上 |
受付期間 | 令和3年7月14日㈬10時〜8月4日㈬正午12時 |
※申込が定員に達した場合でも応募者全員が受験できるようにします。この場合、試験会場、時間が変更になる可能性があります。
試験科目:筆記試験
空港グランドハンドリング業務のうちの次に掲げる分野に関し、基礎的な知識を有するとともに、現場において適切な対応をとるために必要な知識を有することを判定します。
①ランプエリア内での安全・セキュリティー確保
②貨物のハンドリング
③手荷物のハンドリング
④客室内清掃
⑤誘導作業
試験科目:実技試験
空港グランドハンドリング業務のうちの次に掲げる基本技術に関し、実務能力を有することを判定する。
①ランプエリア内での安全・セキュリティー確保
②貨物のハンドリング
③手荷物のハンドリング
④客室内清掃
時間割
注意点等説明 | 11:00 |
筆記試験 | 11:15(試験時間45分) |
休憩 | 12:00(休憩時間15分) |
実技試験 | 12:15(試験時間30分) |
連絡事項伝達 | 12:45 |
※13:00までに解散予定。試験の進行状況により時間が前後することがあります。
試験の詳細はコチラ👉「特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)試験案内」公益社団法人日本航空技術協会
特定技能評価試験学習用テキスト
特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)の学習用テキストはこちら
👉「特定技能評価試験(航空分野:空港グランドハンドリング)テキスト」公益社団法人日本航空技術協会
試験問題も、このテキストから出題されます。
まとめ
申込みが定員に達した場合でも応募者全員が受験できるように対応されます。
この場合、試験会場、時間が変更になる可能性があります。
※先着順の受付ではありません。
※文中の日付、時刻はすべて日本時間です
試験実施予定の最新情報や詳細につきましては、公益社団法人 日本航空技術協会のウェブサイトでご確認ください。
👉「特定技能評価試験(航空分野:グランドハンドリング)」公益社団法人日本航空技術協会
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考:
「特定技能評価試験(航空分野:グランドハンドリング)」公益社団法人日本航空技術協会
「特定技能評価試験 航空分野について)」公益社団法人日本航空技術協会
【政府】外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)
政府は、6月15日に開かれた関係閣僚会議で「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」の改訂を行いました。
その中で、特定技能外国人の受け入れに関する内容について紹介します!
外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策とは
政府は、外国人材の受入れ・共生のための取組をより強力に、かつ、包括的に推進していく観点から、平成30年12月に「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を決定しました。以後、総合的対応策の改訂を2回行っております。
今回、これまでの関連施策を実施する中において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等によって明らかになった課題も踏まえ、受け入れた外国人に対する受入れ環境を更に充実させる観点から、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」が策定されました。
この中で、外国人材の受け入れに関する「外国人材の円滑かつ適正な受入れ」カテゴリをまとめると、以下となります。
①特定技能外国人のマッチング支援策等
②特定技能試験の円滑な実施、特定技能制度の周知・利用の円滑化
③悪質な仲介事業者等の排除
④海外における日本語教育基盤の充実等
今回は、特定技能に関する部分に焦点を当てて紹介致します!
①特定技能外国人のマッチング支援策など
特定技能外国人として就労を希望しているのにもかかわらず、求人情報に接する機会がなかなか得られない方、特定技能外国人を受け入れたいと考えているけれど、外国人雇用の経験が乏しく、求人情報を効果的に提供する方法を必ずしも熟知していない企業も存在しています。
今後、更に受け入れを促進するに当たり、特定技能外国人と受け入れ希望企業とのマッチングが重要な課題となっています。
具体的施策として
〈介護分野〉
・特定技能外国人としての就労希望者と特定技能外国人の雇用を希望する企業のマッチングを実施する都道府県に対する必要な経費の助成
〈ビルクリーニング分野〉
・技能評価試験合格証明書発行時、過度集中地域の受入れ機関からの徴収費用引上げ
〈建設分野〉
・特定技能外国人の受入れ事業実施のための法人において、全国の求人求職情報の集約等のマッチングの実施。
・都市部と地方との間で著しい待遇格差防止の為の助言・指導の実施
〈自動車整備分野〉
・地域における事業者間連携による自律的取組の発掘・支援
〈宿泊分野〉
・特定技能外国人の雇用を希望するホテル、旅館等の求人情報の業界団体や試験実施機関のHPへの掲載
・ホテル、旅館等や在留外国人を対象としたセミナーを開催、制度の広報等を行い受入れ環境を整備
その他、地方における技能評価試験の実施、分野別協議会における引き抜き防止への対応を指導特定技能の在留資格で働きたい外国人の方や、特定技能外国人を受け入れたい企業への情報提供や、マッチング促進の為の支援を検討する等が盛り込まれております。
②特定技能試験の円滑な実施、特定技能制度の周知・利用の円滑化など
国内外の多くの外国人が、特定技能外国人等として働くためには、技能水準及び日本語能力水準を確認するための試験が円滑に実施される必要があります。
また、特定技能制度は、送出し国ごとに送出手続が異なるなど、手続が煩雑・分かりにくいとの指摘があります。
そのため、送出手続・申請手続を含めた特定技能制度のきめ細かな周知を行う事が課題となります。
具体的施策として
・技能試験について、海外では「試験実施国・試験実施回数を拡大」、国内では「地方都市での実施・試験実施回数を拡大」
・特定技能外国人として就労を希望する者の技能試験及び日本語試験の受験を促進するための取組みを推進
・必要に応じて、新たな日本語試験の活用を検討、試験の適正性を確認
・特定技能試験及び日本語試験についての最新情報を多言語で一元的に提供
〈建設分野〉
・特定技能外国人の適正就労監理について、建設キャリアアップシステム等を活用して、外国人建設就労者の適正就労等を推進
〈建設分野・製造分野〉
・建設分野及び製造分野(素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業)の業務区分の整理を検討
〈建設分野・造船・舶用工業分野〉
・特定技能2号試験の実施に向けた検討を推進
〈介護分野〉
・受け入れ方法が多岐に渡ることから、各制度の要件、関係性、キャリアパス等の周知、外国人介護人材の育成やキャリア支援についての実態を把握、好事例の周知を図る
・介護現場におけるコミュニケーション能力の測定に重点を置いた新たな日本語テストの実施を検討
・現場で日本人職員や利用者と円滑にコミュニケーションを図るための取組や介護福祉士を取得するために必要な学習支援に関する取組等について、経費の助成可とする
・申請書の記載例や留意点を分析し、受入れ機関や登録支援機関にとって分かりやすい申請手続に努める
・特定技能制度に係る受入れ分野の追加について、必要性を具体的に示し、法務省等の制度所管省庁において検討
・特定技能2号の対象分野の追加に向けて検討(現在、対象は建設分野・造船分野の2分野のみ)
などが盛り込まれております。
③悪質な仲介事業者等の排除
日本で働きたいと考えている外国人の方が、安心して我が国で生活・就労することが出来るよう、来日予定の外国人から保証金や違約金を徴収する等の悪質な仲介事業者(ブローカー)等を排除する為の手段が必要です。
また、職業紹介事業者が外国人に転職を繰り返させることにより、転職先の雇用主からの謝礼金を繰り返し受け取ることも懸念されることから、適切な国内の対策を進める必要があります。
具体的施策として
・二国間取決めを作成した国について、報連携及び協議を着実に進めるとともに、必要に応じ内容の見直しを行う
・特定技能外国人等については国内にいる当該仲介事業者等又はその関係者が悪質な場合、法令に基づいて適正に行政処分を行う
・国際会議を開催するなど、関係国等との情報交換の枠組みを構築し、連携強化を図る
・悪質な仲介事業者等の関与が認められた特定技能外国人などの入国を許可しない
・職業紹介事業者の不適切な行為を防止するため、職業安定法に基づく指針の周知・啓発を行うとともに、違反が認められた場合には厳正に指導
その他、特定技能外国人等の受入れに係る外国の悪質な仲介事業者等の情報を把握したときは、必要に応じ当該国の政府に情報を提供し、厳正な処分がなされるべきことについて申入れ等を行うとともに、その情報を相互に提供。国内にいる悪質な仲介事業者等又はその関係者に対し、法令に基づいて適正に行政処分を行い、さらに捜査機関において犯罪捜査を行うなど適切に対処する
などが盛り込まれております。
④海外における日本語教育基盤の充実等
外国人材に対する需要が高まる中、来日直後から円滑に生活・就労できる人材が持続的に輩出されるようにするためには、現地において日本語教育の充実を図ることや日本文化・社会等の情報発信を行うことが必要であり、日本語能力を適切に測ることのできる試験の実施、適切なカリキュラムと教材の開発、日本語教師の育成と現地への専門家派遣等を通じた体制整備等を進める必要があります。
具体的施策として、
・現在も行われている「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」を、CBT(Computer Based Testing)形式での実施を推進
・日本語教育を現地で効果的に行う為の教材の開発や普及
・国際交流基金が作成した、言語教育・評価の国際標準に準拠した「JF日本語教育スタンダード」を活用
その他、現地語を使いながら日本語を教えることができる現地教師の確保・拡大や我が国の文化及び社会の魅力発信や交流のための取組を推進などが盛り込まれております。
まとめ
特定技能制度が始まって2年。
業務区分の整理が検討されている分野や、特定技能2号の試験実施に向けた検討が始まっている分野もあります。
日本で働く外国人の方にとっても、受け入れ企業にとっても、状況に応じた改訂が入る事で、より安心して利用出来る制度となっている事を願います。
詳細はコチラ👉「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」首相官邸
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考:
「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)」首相官邸
「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和3年度改訂)の概要」首相官邸
【建設技能人材機構主催】建設特定技能外国人制度の説明会〈九州・沖縄地区〉
建設技能人材機構より、「建設分野における特定技能外国人制度の説明会」開催の案内が公開されておりますので、ご紹介します。
主催:一般社団法人 建設技能人材機構
後援:国土交通省
今回は「九州・沖縄地区」での開催ですが、全会場からライブ配信されますので、自宅や職場からの参加も可能です。
(説明会は今後、各都道府県で行われる予定)
建設特定技能外国人制度の説明会<九州・沖縄地区>についての詳細はコチラ
👉建設特定技能外国人制度の説明会<九州・沖縄地区>一般社団法人 建設技能人材機構
説明会の概要
最新の外国人材の受入状況や制度を紹介、在留資格の変更手続きとして必要となる受入計画作成のポイントなどについて解説。
14:00~14:30 | 第1部 特定技能外国人制度(建設分野)の概要 |
14:30~15:15 | 第2部 JAC・FITSの事業概要 |
15:15~15:30 | よくある質問について ※事前にご質問を受け付け、Q&A方式で紹介します |
参加費は無料ですが、申し込みが必要となります。
開催日・会場
開催地 | 開催日 | 会場 |
佐賀 | 7/8㈭ | サンシティ オフィスビル |
長崎 | 7/9㈮ | 長崎県建設総合会館 |
大分 | 7/15㈭ | アートホテル |
福岡 | 7/16㈮ | 福岡国際会議場 |
鹿児島 | 7/29㈭ | サンプラザ天文館 |
熊本 | 7/30㈮ | 熊本県市町村自治会館 |
宮崎 | 8/4㈬ | ホテルマリックス |
沖縄 | 8/5㈭ | 沖縄県立博物館 |
特定技能「建設分野」の基準
ここからは、建設分野において、特定技能外国人が従事する業務内容や、建設分野で求められる人材の技能水準、建設分野特有の基準について、簡単にご紹介します。
特定技能外国人が「建設分野」で従事する業務内容
①型枠施工 ②左官 ③コンクリート圧送 ④トンネル推進工 ⑤建設機械施工 ⑥土工
⑦屋根ふき ⑧電気通信 ⑨鉄筋施工 ⑩鉄筋継手 ⑪内装仕上げ ⑫表装 ⑬とび
⑭建築大工 ⑮配管 ⑯建築板金 ⑰保温保冷 ⑱吹付ウレタン断熱 ⑲海洋土木工
その他、同じ業務内容の日本人が、通常従事する事となる関連業務に付随的に従事。(準備・片付けなど)
特定技能「建設分野」で求められる人材の技能水準
・技能試験 「建設分野特定技能1号評価試験」に合格
・当該職種に係る技能実習2号を良好に修了
・技能検定3級に合格
在留資格「特定活動」で就労中の外国人建設就労者についても、技能実習2号を良好に修了したことを前提としているので、試験免除で在留資格「特定活動」から在留資格「特定技能1号」に変更することが出来ます。※同じ職種への移行に限る。
9月に、建設分野特定技能1号評価試験が国内で予定されています。
詳細はコチラ👉建設分野特定技能1号評価試験
特定技能「建設分野」で求められる人材の日本語能力水準
「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」
※職種・作業以外の技能実習2号を良好に修了した者については、国際交流基金日本語基礎テスト及び日本語能力試験(N4以上)が免除されます。
建設分野の特徴的な基準
特定産業分野14業種の中で、建設分野にのみ定められている特徴的な基準があります。
①建設特定技能受入計画の認定
②建設業法第3条の許可
③建設キャリアアップシステムへの登録
④一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)への加入
⑤国内人材確保の取組
⑥特定技能外国人への報酬や昇給が適切である
⑦契約上の重要事項の事前説明
⑧1号特定技能外国人に対し、受け入れ後、国土交通大臣が指定する講習または研修を受講させること
⑨巡回指導の受け入れ
まとめ
今回の「特定技能外国人制度の説明会」は、ライブ配信されるので、忙しくて時間が取れない方なども会場まで出向く事無く、自宅や職場から参加出来ますね。
コロナ禍での移動が不安な方でも参加出来るので安心です。
今後、各都道府県で開催が予定されております。
建設技能人材機構のウェブサイトをご確認ください。
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考:
建設特定技能外国人制度の説明会<九州・沖縄地区>一般社団法人 建設技能人材機構
「建設分野特定技能1号評価試験」一般社団法人 建設技能人材機構
「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -建設分野の基準について-」法務省・経済産業省
二国間協定(二国間取決め)とは?
今回は、前回までのブログでも何度か登場した「二国間協定(二国間取決め)」について、目的や手続き方法も含め紹介します。
二国間協定(二国間取決め)とは
特定技能の二国間協定とは、日本が外国人労働者を送り出す国と締結している取り決めです。
協力覚書(MOC:Memorandum of Cooperation)とも呼ばれます。
外国人労働者の送出し・受入れを適正かつ円滑にするためのものです。
なお、二国間協定を締結していない国から人材を受け入れることも可能です。
二国間協定(二国間取決め)のポイント
二国間取決めのポイントは2つ。
①情報共有
特定技能外国人の円滑・適正な送出し・受入れの確保等のために必要または有益な情報を速やかに共有する。この情報には,特定技能外国人に係る求人・求職に関与する両国内の機関による以下の行為に関する情報を含む。
・保証金の徴収 ・違約金の定め ・人権侵害行為
・偽変造文書等の行使及び費用の不当な徴収等
②問題是正のための協議
定期又は随時に協議を行い,本制度の適正な運用のために改善が必要と認められる問題の是正に努める。
要は、日本と特定技能外国人を送り出す国との間で、保証金を徴収するなどの悪質な仲介事業者(ブローカー)等を排除し、外国人労働者の保護を目的とするための協力覚書です。
二国間協定(二国間取決め)を結んでいる国
2021年4月2日時点で、日本と特定技能についての二国間協定を結んでいる国は以下の13カ国です。
・フィリピン
・カンボジア
・ネパール
・ミャンマー
・モンゴル
・スリランカ
・インドネシア
・ベトナム
・バングラデシュ
・ウズベキスタン
・パキスタン
・タイ
・インド
協定の内容はそれぞれの国ごとに異なります。
雇用する特定技能外国人の方の国との協定事項の確認は必須です。
各国それぞれの手続きの流れや詳細、特徴的な手続きを紹介します。
フィリピン
締結日:2019/03/19
フィリピン国籍の方を特定技能外国人として受け入れる場合、
①フィリピン政府から認定を受けた送出機関との募集取決め(Recruitment Agreement)の締結
②駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所(POLO)への申請手続
③フィリピン海外雇用庁(POEA)への特定技能所属機関としての登録手続
が必要となります。
上記①~③の手続きをせずに、フィリピン国籍の方と雇用契約を結ぶ事は出来ません。
フィリピン国籍の方が特定技能外国人として出国するには、海外雇用許可書(OEC)の取得が必要ですが、OECを取得するためには上記の①から③の手続を完了していることが前提とされており、手続を完了していない場合、OECが発行されず、これから雇用を予定している方あるいは再入国許可により一時帰国している方が来日できなくなります。
フィリピン側は、在留資格認定証明書の交付申請手続(フィリピンから新たに受け入れる場合)及び在留資格変更許可申請手続(日本に在留する方を受け入れる場合)を行う前に、受入機関の方が,まず上記の①から③の手続を済ませることが必要であるとしています。
フィリピンとの特定技能に関する協力覚書はこちら
フローチャート:フィリピン特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
Q&A:フィリピン側の手続に関するQ&A
カンボジア
締結日:2019/03/25
カンボジア国籍の方をカンボジアから新たに特定技能外国人として受け入れるに当たって、カンボジアの制度上、カンボジア政府から認定を受けた現地の送出機関を通じて、人材の紹介や雇用契約の締結を求められます。
特定技能外国人として来日を希望するカンボジア国籍の方は、認定送出機関を通じて、この方に対する登録証明書の発行をカンボジア労働職業訓練省(MoLVT:Ministry of Labour and Vocational Training)に対して申請することが求められます。
カンボジアとの特定技能に関する協力覚書はこちら
フローチャート:カンボジア特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:カンボジア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
ネパール
締結日:2019/03/25
ネパールについては、特定技能外国人の雇用に当たり、日本の受入機関がネパール国籍の方に対して直接採用活動を行うほか,受入機関は,駐日ネパール大使館に求人申込を提出することも可能とのことです(有料)。
特定技能外国人として来日を希望するネパール国籍の方は、ネパール出国前に海外労働保険への加入や海外労働者社会福祉基金への一定額の支払いを求められます。
他にも、ネパール労働・雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門から海外労働許可証を取得し、ネパールを出国する際、出国審査において海外労働許可証の確認が必要となります。
ネパールとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:ネパール特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:ネパール国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
ミャンマー
締結日:2019/03/28
ミャンマー国籍の方をミャンマーから新たに特定技能外国人として受け入れるに当たって、ミャンマーの制度上、ミャンマー政府から認定を受けた現地の送出機関を通じて、人材の紹介や雇用契約の締結を求められます。
また、送出機関が求人を行う際は、受入機関から提出された求人票をミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP:Ministry of Labour, Immigrationand Population)に提出し,求人票の許可・承認を得る必要があります。
※ミャンマー政府から認定を一定期間無効とされている認定送出機関があります→こちら
特定技能外国人として来日予定のミャンマー国籍の方は、ミャンマーの制度上、海外で就労する場合にはMOLIPに海外労働身分証明カード(OWIC:Overseas Worker Identification Card)の申請を行う必要があります。
ミャンマーとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:ミャンマー特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:ミャンマー国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
モンゴル
締結日:2019/04/17
モンゴル国籍の方を新たに特定技能外国人として受け入れるに当たっては、モンゴル労働・社会保障省労働福祉サービス庁(GOLWS)との間でモンゴル国籍の方の人材募集に関して双務契約の締結が求められます。ただし、日本に在住するモンゴル国籍の方を雇用する場合には、双務契約の締結は不要です。
モンゴルとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:モンゴル特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:モンゴル国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
Q&A:モンゴル側の手続に関するQ&A
スリランカ
締結日:2019/06/19
スリランカについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、必ずしもスリランカ政府が認定した送出機関を利用する必要はありません。
特定技能外国人として来日を希望するスリランカ国籍の方は、スリランカ海外雇用促進·市場多様化担当国務省海外雇用局(SLBFE)に対し、海外労働登録を行う必要があります。
スリランカとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:スリランカ特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:スリランカ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
インドネシア
締結日:2019/06/25
インドネシア国籍の方を受け入れようとする日本側の求人募集に当たり、インドネシア側は同国政府が管理する「労働市場情報システム(IPKOL)」へのオンライン登録を強く希望しています。特定技能制度に興味のあるインドネシア国籍の方は多く、日本での就職を希望している方は、このIPKOLにアクセスして求職先を検索するからです。
在留資格「特定技能」に係る在留資格認定証明書を交付されたインドネシア国籍の方は、自らインドネシア政府が管理する海外労働者管理システム(SISKOTKLN)にオンラインで登録し、発行されるID番号を取得する必要があります。
インドネシアとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:インドネシア特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
Q&A:インドネシア側の手続に関するQ&A
ベトナム
締結日:2019/07/01
ベトナムから新たに特定技能外国人として受け入れるに当たっては、ベトナムの制度上、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)から認定された送出機関との間で「労働者提供契約」を締結することが求められます。
ベトナムについては、協力覚書において、同国の関連法令に基づき必要な手続を完了した特定技能外国人に対し、ベトナム政府が推薦者表(特定技能外国人表)を承認することとされています。
推薦者表の承認については、ベトナムにいる方を新たに特定技能外国人として受け入れる場合は、送出機関がDOLABにおいて手続を行い、日本に在留するベトナム人の方を特定技能外国人として受け入れる場合は、本人または受入れ機関等が駐日ベトナム大使館において手続きを行います。
ベトナムとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:ベトナム特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:ベトナム国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
バングラデシュ
締結日:2019/08/27
バングラデシュについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、必ずしもバングラデシュ政府が認定した送出機関を利用する必要はありません。
ウズベキスタン
締結日:2019/12/17
ウズベキスタンについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、必ずしもウズベキスタン政府が認定した送出機関を利用する必要はありません。(送出機関の利用は任意)
ウズベキスタンとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:ウズベキスタン特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:ウズベキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
パキスタン
締結日:2019/12/23
パキスタンについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、必ずしもパキスタン政府が認定した送出機関を利用する必要はありません。(送出機関の利用は任意)
タイ
締結日:2020/02/04
タイについては、特定技能外国人を受け入れるに当たって、必ずしもタイの国外職業紹介事業者(送出機関)を利用する必要はありません。
ただし、日本企業が現地へ訪れて直接求人活動を行うこと禁止されています。
タイとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:タイ特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
Q&A:タイ側の手続に関するQ&A
インド
締結日:2021/01/18
インドとの特定技能に関する協力覚書
フローチャート:インド特定技能外国人に係る手続の流れについて
手続きの詳細:インド国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ
まとめ
今回は「二国間協定(二国間取決め)とは?」について紹介しました。
全ての国の協力覚書には「両国の書面に よる同意により、必要に応じて修正又は補足される」と言う記載があります。
今後の状況によって内容が変わる可能性もあるので、特定技能外国人を雇用する際には最新情報の確認が必要ですね!
最新情報、各国別の手続き方法の詳細はこちら→「特定技能に関する二国間の協力覚書」法務省
NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!
参考:「特定技能に関する二国間の協力覚書」出入国在留管理庁(http://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri05_00021.html)
特定技能外国人に求められる基準とは?
前回までのブログで特定技能外国人を雇用する側の基準や詳細を一通り紹介しました。
・特定技能所属機関の基準を満たす
・特定技能外国人と特定技能雇用契約を結ぶ
・1号特定技能外国人支援計画を作成する
特定技能外国人を雇い入れる為には、非常に多岐に渡る基準を満たす必要がありました。
では、特定技能外国人に求められる基準とは、どのような内容でしょうか?
今回はこの「特定技能外国人に求められる基準とは」について紹介します。
特定技能外国人とは
特定技能外国人に求められる基準について紹介する前に、「特定技能1号・2号」について簡単に振り返りましょう。
特定技能1号
・在留期間:1年、6ヵ月または4ヵ月ごとに更新、最長で5年まで在留可
・技能水準:相当程度の知識又は経験を必要とする技能
・日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力
・家族の帯同:基本的に不可。
・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象
・対象業種:特定産業分野14業種(下記参照)
特定技能2号
・在留期間:3年、以後1年または6カ月ごとに更新
・技能水準:熟練した技能
・日本語能力水準:確認不要
・家族の帯同:可(配偶者、子)
・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外
・対象業種:建設、造船・舶用工業(2業種のみ)
特定技能1号は、一定レベルの技能と日本語能力が求められます。
試験に合格する事で水準を満たしていると認められますが、技能実習2号を良好に修了していると、試験は免除されます。
特定技能2号は、特定技能1号より高い技能水準を持つ者に対して付与される在留資格です。
特定技能2号としての技能水準を満たしているかの判断は、試験の合格等によって認められるので、特定技能1号から自動的に特定技能2号になれるわけではありません。
ですが、試験の合格等で特定技能2号の水準を満たしていると認められれば、特定技能1号を経験しなくても特定技能2号の在留資格を取得出来ます。
◆特定産業分野〈14分野〉 介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 |
◆在留資格 外国人が日本に入国・在留して行うことのできる活動を類型化したもの |
これらを踏まえた上で、本題に入りましょう!
特定技能外国人の基準とは
特定技能外国人の基準は、大きく分けて3つに分類されます。
①特定技能1号・特定技能2号に共通の基準
②特定技能1号のみの基準
③特定技能2号のみの基準
それぞれ詳細は異なります。
共通の基準から、紹介していきます!
特定技能1号・特定技能2号に共通の基準
特定技能1号・特定技能2号に共通の基準は、以下になります。
①18歳以上であること
②健康状態が良好であること
③退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
④保証金の徴収等をされていないこと
⑤外国の機関に費用を支払っている場合は,額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
⑥送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続を経ていること
⑦外国人が定期に負担する費用について、十分に理解した上で合意していること
⑧分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)
では、詳細を確認していきましょう!
①18歳以上であること
日本の労働法制上、18歳未満の労働者に関し特別の保護規定を定めていることから、特定技能外国人についても18歳以上であることを求めるものです。外国人が18歳未満であっても、在留資格認定証明書交付申請を行うことは可能ですが、日本に上陸する時点においては18歳以上でなければなりません。
②健康状態が良好であること
特定技能外国人が、特定技能に係る活動を安定的かつ継続的に行うことを確保する観点等から、当該外国人の健康状態が良好であることを求めるものです。
新たに日本に入国する場合(在留資格認定証明書交付申請を行う場合)には、申請の日から遡って3か月以内に日本で行おうとする活動を支障なく行うことができる健康状態にあることについて、医師の診断を受けなければなりません。
③退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について、自国民の引取り義務を履行しない等、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の外国人の受入れは認められません。
※令和3年2月19日時点において、この基準によって除外される国・地域は、イラン・イスラム共和国のみです。
④保証金の徴収等をされていないこと
特定技能外国人またはその親族等が、保証金の徴収や財産の管理又は違約金契約(例:作業時間中にトイレ等で離席する事を禁止し、違約金を定める)を締結させられているなどの場合には、特定技能の適正な活動を阻害するものであることから、これら保証金の徴収等がないことを求めるものです。
⑤外国の機関に費用を支払っている場合は、額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
特定技能外国人が不当に高額な費用を支払い、多額の借金を抱えて来日するといったことがないよう設けられたものです。
⑥送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は、その手続を経ていること
特定技能外国人が、特定技能に係る活動を行うに当たり、海外に渡航して労働を行う場合の特定技能外国人の本国での許可等、本国において必要な手続を遵守していることを求めるものです。(二国間協定)
⑦外国人が定期に負担する費用について、十分に理解した上で合意していること
特定技能外国人が入国前及び在留中に負担する費用について、その意に反して徴収されることを防止するために、当該外国人が負担する費用の額及び内訳を十分に理解して合意していることを求めるものです。
⑧分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)
特定産業分野ごとの特有の事情に鑑みて個別に定める基準に適合していることを求めるものです。
特定技能1号のみの基準
特定技能1号のみの基準は、以下になります。
①必要な技能及び日本語能力を有していること
②特定技能1号での在留期間が通算して5年に達していないこと
では、詳細を確認していきましょう!
①必要な技能及び日本語能力を有していること
必要な技能及び日本語能力を有していることが、試験その他の評価方法により証明されていることが必要となります。
ただし、技能実習2号を良好に修了している者であり、かつ、技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合は、これに該当する必要がありません。
日本語能力に関しては、独立行政法人国際交流基金及び公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語能力試験N4以上に合格する必要があります。
N4の認定目安は「基本的な日本語を理解することが出来る」となっています。
※N1~N5の5段階。N5が一番やさしいレベルです。
詳細はこちら👇
「日本語能力試験公式ウェブサイト」国際交流基金及び日本国際教育支援協会
②特定技能1号での在留期間が通算して5年に達していないこと
「通算」とは、過去に在留資格「特定技能1号」で在留していた期間や、失業中や育児休暇及び産前産後休暇等による休暇期間等も含まれます。残りの特定技能雇用契約期間や在留期限にかかわらず、「特定技能1号」での通算在留期間が5年に達した時点で以後の在留は認められないので注意が必要です。
特定技能2号のみの基準
特定技能2号のみの基準は、以下になります。
①必要な技能を有していることが証明されていること
②技能実習生の場合は、技能の本国への移転に努めるものと認められること
では、詳細を確認していきましょう!
①必要な技能を有していることが証明されていること
従事しようとする業務に必要な「熟練した技能」を有していることが試験その他の評価方法により証明されていることを求めるものです。
分野によっては、技能試験による評価方法に加えて、実務経験等の要件を付加的に求めているものもあります。
②技能実習生の場合は、技能の本国への移転に努めるものと認められること
技能実習の活動に従事していた者が「特定技能2号」の許可を受けようとする場合には、技能実習において修得等した技能等を本国へ移転することに努めると認められることを求めるものです。
まとめ
今回は「特定技能外国人に求められる基準とは」について紹介しました。
日本語能力も技能も一定数の水準が必要であり、即戦力として雇用される特定技能外国人。
今後、同じ職場で仲間として働くかもしれないと思うと、心強いですね!
新型コロナウイルス感染症の様々な影響により、この基準と異なる場合もあります。
例:通算在留期間:新型コロナウイルス感染症の感染 拡大防止のための上陸を拒否する措置などにより再入国 することができなかった期間は含まれない。
参考:「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正について」法務省
最新の情報は、法務省のHP等でご確認下さい!
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参考:
「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁
「特定技能外国人受入れに関する運用要領」出入国在留管理庁
参考文献:
井出誠、長岡俊行(2020)『「特定技能」外国人雇用準備講座』株式会社ビジネス教育出版社