ARTICLE
記事

登録支援機関になる為に必要な事とは?

前回は「1号特定技能外国人支援計画」について紹介しました。

特定技能所属機関が、受け入れる1号特定技能外国人に対して
職業・日常・社会生活上の支援を行う為に作成する「支援計画」の事であり、
この「支援計画」は「登録支援機関」に委託する事が可能です。

今回はこの「登録支援機関」について紹介します。

登録支援機関とは

「1号特定技能外国人支援計画」は、多岐に渡る詳細な基準があります。

例を上げると…
支援計画にある「外国人が十分に理解できる言語で支援を実施できる体制があること」と言う基準ですが、
雇用した1号特定技能外国人が日本語を十分理解出来る、とは限りませんよね。
日常会話が出来ても、支援内容にある様々な登録や契約時に使う難しい日本語の全てを理解出来るか、と言えば難しいでしょう。
その場合、1号特定外国人が理解出来る言語を扱える人材を雇用する必要があります。

例のように、1号特定技能外国人が日本で安心して生活していく為の総合的な支援体制を整えるのは容易な事ではありません。
このような支援体制の確保が難しい企業の代わりに支援業務を行う機関「登録支援機関」です。

登録支援機関になるためには、出入国在留管理庁長官の登録を受ける必要があります。

登録支援機関になる為に必要な事とは?

登録支援機関になるために必要な要件や支援内容、手続き等を確認して行きましょう。

登録支援機関になれるのは法人のみ?

登録支援機関は登録拒否事由に該当しなければ、法人だけではなく個人等でも登録する事は可能です。

登録支援機関の登録拒否事由とは

登録支援機関は、以下の登録拒否事由のいずれかに該当する場合、登録する事は出来ません

①関係法律による刑罰に処せられ,その執行を終わり又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
②心身の故障により支援業務を適正に行うことができない者,破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者等
③登録支援機関としての登録を取り消された日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員であった者を含む)
④登録の申請の日前5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
⑤暴力団員等暴力団排除の観点から定める事由に該当する者
⑥受入れ機関や技能実習制度における実習実施者等であった場合において,過去1年間に自らの責めに帰すべき事由により 行方不明者を発生させている者
⑦支援責任者及び支援担当者が選任されていない者(支援責任者と支援担当者との兼任は可
⑧次のいずれにも該当しない者 
 ア 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の受入れ又は管理を適正に行った実績がある者であること
 イ 過去2年間に報酬を得る目的で業として本邦在留外国人に関する各種相談業務に従事した経験を有する者であること
 ウ 支援責任者及び支援担当者が過去5年間に2年以上中長期在留者(就労資格のみ。)の生活相談業務に従事した一定の経験を有する者であること
 エ ア~ウと同程度に支援業務を適正に実施することができる者であること 
⑨外国人が十分理解できる言語による情報提供・相談等の支援を実施することができる体制を有していない者
⑩支援業務の実施状況に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備え置かない者
⑪支援責任者又は支援担当者が一定の前科がある等の欠格事由に該当する者
⑫支援に要する費用を,直接又は間接に外国人に負担させる者
⑬支援委託契約を締結するに当たり,受入れ機関に対し,支援に要する費用の額及び内訳を示さない者 
引用:「登録支援機関の登録拒否事由」出入国在留管理庁

「⑪支援責任者又は支援担当者が一定の前科がある等の欠格事由に該当する者」とは、特定技能所属機関の役員の配偶者や2親等内の親族のほか、特定技能所属機関の役員と社会生活上密接な関係を有する者が支援責任者として選任されている場合は、登録支援機関になることはできません。

過去5年間に特定技能所属機関の役員又は職員であった者を支援責任者として選任している場合についても、登録支援機関となることはできません。

これらは支援の中立性を確保するために定められています。

登録支援機関が行うべき支援の内容とは

前回のブログでも「1号特定技能外国人支援計画の内容」として詳しく紹介しておりますが、もう一度振り返って見ましょう。

①事前ガイダンスの提供
②出入国する際の送迎
③適切な住居の確保に係る支援・生活に必要な契約に係る支援
④生活オリエンテーションの実施
⑤日本語学習の機会の提供
⑥相談又は苦情への対応
⑦日本人との交流促進に係る支援
⑧外国人の責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合の転職支援
⑨定期的な面談の実施、行政機関への通報
⑩過去2年間に中長期在留者等(就労系資格に限る)の受入れ経験等がある事
参考:「1号特定技能外国人支援に関する運用要領」法務省

この他に、外国人が十分理解できる言語による支援体制が整っている事必須項目です。

上記の一部や全てを特定技能所属機関から委託されます。
登録支援機関は、特定技能所属機関から受けた委託を更に委託する事は出来ませんが、支援の補助として通訳の方を活用する事は認められています。

一部の支援のみ委託されたとしても、登録支援機関として認められる為には全ての支援を行える体制が必要です。

登録支援機関に登録された際の有効期間

登録の有効期間は5年間で、更新が必要となります。

登録支援機関へ登録する為に必要な手続き

登録支援機関の登録(更新)申請は、地方出入国在留管理局または地方出入国在留管理局支局(空港支局及び出張所を除く)となります。

手続きに必要な書類等は以下になります。
・手数料納付書
・登録支援機関登録申請書
・登記事項証明書(法人の場合に提出が必要)
・住民票の写し(個人事業主の場合に提出が必要)
・定款又は寄附行為の写し(法人の場合に提出が必要)
・役員の住民票の写し(法人である場合に提出が必要)
・登録支援機関の役員に関する誓約書(住民票の写しの提出を省略する役員が居る場合に提出が必要)
・登録支援機関概要書
・登録支援機関誓約書
・支援責任者の就任承諾書及び誓約書の写し
・支援責任者の履歴書
・支援担当者の就任承諾書及び誓約書の写し
・支援担当者の履歴書
・支援委託手数料に係る説明書(予定費用)
・返信用封筒(結果の通知送付用)

参考:
「登録支援機関の登録(更新)申請に係る提出書類一覧・確認表」出入国在留管理庁
「特定技能外国人受入れに関する運用要領」出入国在留管理庁

まとめ

今回は「登録支援機関」について紹介しました。

特定技能所属機関は、1号特定技能外国人が日本で安心して生活や仕事が出来る様に支援する必要があり、支援内容は空港送迎から住居探しのフォロー、ライフラインに関する契約、行政手続きに関する支援まで本当に多岐に渡ります。

非常に詳細な支援体制を整える事が難しい企業の代わりに支援業務を行う機関「登録支援機関」と言う事です。

特定技能所属機関の基準は満たして居るけれど、この支援体制全てを整えるのは難しい…と感じている企業は、「登録指定機関」に委託することで1号特定技能外国人支援計画の基準をクリア出来ますね!

ちなみに…
前回のブログでは1号特定技能外国人に焦点を当てて紹介したので記載しておりませんが、
2号特定技能外国人については、支援義務はありません

「特定技能」1号・2号の違いって何だっけ…という方はこちら↓
特定技能とは?コロナ渦でも外国人労働者は採用できるのか?

NES(ネバーエンディングスピリッツ)協同組合では「特定技能者で働きたい外国人の方」と「特定技能者を採用したい企業やお店」のマッチングをお手伝いします。お気軽にご相談下さい!

参考:
「特定技能外国人受入れに関する運用要領」出入国在留管理庁
「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁

参考文献:井出誠、長岡俊行(2020)『「特定技能」外国人雇用準備講座』株式会社ビジネス教育出版社

最近の記事

  1. 【特定技能】ミャンマー🇲🇲より2名到着🛩
  2. 特定技能11名、技能実習生5名の在留許可が下りました!🇻🇳
  3. 【技能実習制度の新制度】育成就労制度とは?転職や特定技能への移行条件【出入国在留管理局】
  4. 【ニュース】自民、「育成就労」創設を了承 技能実習法と入管難民法の改正案【デイリー】
  5. ★試験案内★ 日本語能力試験・JLPT【2024年開催】
  6. 【ニュース】特定技能、5年間で最大82万人受け入れ見込み【毎日新聞】
PAGE TOP